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『すみません...弾代って学費に含まれますか?』 ~ドケチな新入生、学園の宇宙を「コスパ最強」で無双する~  作者: 染抜き
学園編

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命令無視の特攻

ドォォォォォォォンッ!!!!


数百の敵が密集していた空間を、僕の光のドリルが一直線に貫通した。

一撃で粉砕され、機能を停止した下位個体たちは、次々とバスケットボールほどの大きさの結晶体へと姿を変えていく。


「ふぅ。これでこのセクターの下位個体は終わりか」


宇宙空間に漂う無数の結晶体を見ながら息を吐いた直後だった。


――ピーッ! ピーッ! ピーッ!


レイヴンのコックピットに、けたたましい警告音が鳴り響いた。

破壊した廃施設のさらに奥深くから、とてつもないエネルギー反応が急接近してくる。


現れたのは、星翼と同じくらいか、それ以上の巨体。

機械的な敵とは決定的に異なる、まるで深宇宙に生息する宇宙怪獣のような生物体だった。流線型の禍々しい有機的な外殻に、ギョロリと赤光を放つ巨大な単眼。


僕は即座に通信を母艦の司令部へと繋いだ。


「オットー教官。俺たちのセクターに、エリート個体が湧いたぞ。映像データを送る」


『なっ...馬鹿な!? なぜこんな浅い宙域にエリートが...!?』


モニター越しに映像を見たオットー教官が、驚愕に声を裏返した。


『全艦、全小隊に通達! 演習は中止だ! 各セクターにエリート個体が出現した可能性がある! 全機、直ちに撤退しろ! 繰り返す、絶対に交戦するな!』


教官の切羽詰まった撤退命令が、広域通信で響き渡った。


『了解した!A組のアーサー小隊は十字編隊を維持したまま直ちに後退する!』


『同じくA組カチューシャ小隊、離脱するわ! B組以下のあんたたちも、さっさと逃げなさい!』


『ひぃぃっ! エリートのA組が逃げたぞ! 俺たちも早く退けぇぇっ!』


学園トップであるA組の生徒たちが真っ先にプライドを捨てて撤退を選んだことで、他クラスの生徒たちも完全にパニックになり、次々と母艦へと反転していく声が聞こえる。


だが、僕は広域通信のチャンネルを無造作に切った。


「撤退? 冗談じゃない」


僕はスロットルを握り直し、不敵な笑みを浮かべた。

エリート個体を倒せば、機体と同じくらいバカでかい結晶体が手に入る。


「あのクラスの特大結晶体...換金したら、一体いくらになると思ってる?」


最高級の小麦粉、芳醇な発酵バター、貴重なカカオ豆...それが一生分買えるかもしれない。

軍務時代に染み付いた僕の貧乏性が、最高潮に沸き立っていた。


「F小隊、お茶会は一時中断だ! 明日からの豪華なスイーツのために、あのとびきりデカいボーナスを狩るぞ!」


『ん。大きなホールケーキのためなら、頑張る』


『マカロンも食べたい。だから、あれ倒す』


後方で待機しているアルテミスとソフィアからも、頼もしい返事が返ってくる。

僕らF小隊だけが、全軍撤退の命令を完全に無視し、エリートへ向かって機体を加速させた。


こちらを認識したエリートの巨大な単眼が、不気味に赤く輝く。


ズババババババッ!!


次の瞬間、エリートの単眼と流線型の体表から、文字通り馬鹿みたいな量のレーザーが乱射された。

さらに、エリートは有機的な装甲の一部を無数に切り離した。それらは一つ一つが独立した有機ミサイルとなり、何百発とこちらへ殺到してくる。


「相変わらず、挨拶の弾幕だけは派手だな!」


僕は機体を限界まで傾け、デタラメな弾幕の隙間を縫うように超高速で回避していく。


後方モニターでは、ロレンツォが僕の開けた安全な軌道を、寝息を立てながらただスーッとついてきていた。


『...ミサイル、鬱陶しい。落とす』


アルテミスの声と共に、遠隔武装の細いビームが戦場を駆け巡り、飛来する有機ミサイルを次々と正確に撃ち抜いて小さな結晶体へと変えていく。


『私も、相殺する』


ソフィアの機体からもマイクロミサイルがばら撒かれ、エリートの有機ミサイル群と正面から激突して巨大な爆炎の壁を作り出した。


二人の完璧な後方支援によって弾幕が薄くなった一瞬の隙を突き、僕はエリートの懐へと潜り込んだ。


「まずはその硬そうな装甲、味見させてもらうぞ!」


レイヴンの機体出力と慣性を乗せ、両腕に展開した高周波ブレードを流線型の外殻へとフルスイングで叩き込む。


ガキィィィィンッ!!!!


火花が散り、強烈な反動が機体を揺らした。ブレードはエリートの装甲の表面に浅い傷をつけただけで弾き返された。


「チッ...無駄に硬いな」


僕は一度機体を反転させ、距離を取った。

母艦の司令部で見ている教官や他の生徒たちは、僕の攻撃が通じなかったのを見て絶望しているかもしれない。だが、僕の心境は極めて冷静だった。


軍事惑星の最前線で散々やり合ったエリートや、さらに上のマザークラスに比べれば、こいつはただのデカい的だ。

ただ少しだけ、いつもより機体のエネルギーを余分に使って力押しで叩き割ればいい。


「ソフィア、アルテミス! 弾幕は俺が全部引きつける! その間に、お前たちの最大火力で奴の装甲にヒビを入れろ!」


『ん。了解。特大のビーム、撃つ』


『レールガン、最大出力でチャージする。マカロンのために』


後方の二人が、静かに、しかし確かな殺意を持って兵装のチャージを開始した。


「さあ、こっちだデカブツ! 明日のスイーツ代のために、さっさと特大の結晶体になりな!」


僕は機体の出力を戦闘機動の限界点まで引き上げ、エリートの周囲を飛び回りながら、馬鹿みたいな弾幕を全て己の機体へと誘導し始めた。

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