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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

侵略者より~麗しき外交使節公爵閣下は下等民族を蹂躙する~

作者: たなか

ヌメタケ属のタケノコは武士でいう髷に相当します。彼等の悲しみと屈辱がより理解できるでしょう。


エリオット168cm

サラン国王128cm

サラン高官140cm

通訳118cm

エドモンド175cm

ラグナ190cm

セオドリック182cm


エリオット−−ダークヒーローに制裁された悲しい過去がある、妻子持ち。


エドモンド−−エリオットの親友兼側近の儚げなゲイ。


ラグナ−−被差別民エルフ出身、自分の出自に誇りあり。


セオドリック−−主君の不幸を見つけると嬉しい。



馬車にて




エリオット「ヌ…ラヤサワ、ラタ?合ってるかな?」




通訳「ヌッラヤサワラタですね。最初の一音にアクセントをおくとより自然です。」




エリオット「へぇー、なるほど……難しいね。数週間くらい練習したんだけど……せっかくなら直接お話ししたかった……」


通訳「ヴァルキリアの方々にはサランの言葉は馴染みがないですからね。そのために私がいるんですよ。閣下のお言葉は私が責任持ってお伝えします!」


エリオット「ありがとう、頼りにしてるね。」


エリオット「緊張しちゃうなぁ……サランのことについては一通り目を通したけど……」


通訳「私も祖国に帰るのは30年ぶりですので、同じ気持ちです……」


エリオット「後で、美味しいご飯とか教えてね。」



通訳「はい!もちろんです!」




エリオットが下等民族の言葉をおさらいする横で、


側近のエドモンドは手元の資料をペラペラめくった。




ヌメタケ族の王国――


サラン王国。


ヌメタケ族の民が住まう、小さくも誇り高き国。




王城の門前で、国王は正装を身にまとい、深々と頭を下げていた。


その目の前に立つのは、ヴァルキリア帝国のクラリウス公爵である。




ただし、エリオット装いはというと、比較的ラフな軍服だった。




儀礼の場にしてはあまりにもふざけている。




サラン王国の人々は、ヌメタケ族特有の体格のため小柄だ。


王でさえもエリオットの肩ほどの高さしかない。




二人が並んで歩けば、いやでも身長差が目立つ。




エリオットは薄笑いを浮かべた。



サラン王国の高官たちは歯ぎしりした。




無茶な講和条約




「こんな無茶な条件、飲めるわけがっ…!!」




高官が机を叩いた。




ヴァルキリア帝国が提示したのは、一方的とも言える不平等条約。


領土の割譲、貿易の制約、サラン王国にとって明らかに不利な内容ばかり。




ヴァルキリア帝国側が示した講和条約内容とはいかの通りである。




1. 領土の割譲

サラン王国は南部の富裕の港をヴァルキリアに譲渡する。








2. サラン王国の軍事制限:

サラン王国は兵力を一定に制限し、軍事訓練はヴァルキリアの監視課にのみ行うことができる。





3. 文化・宗教

野蛮な神々への生贄祭典を行うことができないと明確に明記され、

ヴァルキリア正教

女神ソレナニアを尊崇し、同じ教義に基づいた教育が広められることになる。




4. 経済的な援助

サラン王国は一定期間ヴァルキリアからの援助を受けることができるが、ヴァルキリアを除く国々との貿易を永久に禁じる。




5. サラン王国の名誉:

サラン王国の独立を認めるが、サラン王国はヴァルキリアの影響化にあることを承認し他国との外交においてもヴァルキリアからの許可を得る必要がある。

また、サラン王国の宮廷においてヴァルキリアからの指導員として外交監視総監を二名を配置しなければならない。



国王は唇を噛みしめ、拳を震わせる。




「……」




しかし、逆らえば国の存続が危ぶまれる。


やがて、耐えきれず、国王は泣く泣く調印した。




サラン王国の宮廷は、沈痛な空気に包まれる。




今までは通訳を介して交渉が進められていたが――




エリオットは突然、口を開いた。




「そのあたまに生えてるのはたべラルますか?」




場が凍りついた。




通訳(ヌメタケ族)は、優しく微笑んだ。




だが、高官は激怒した。




「なんたる侮辱っ!!」




ヌメタケ族にとって、頭に生えたタケノコは誇り。


それを食べるなど、とんでもない。




しかし、国王は……震える手で、自らのタケノコを切り取ろうとした。




「ひっぐ…」




幼い王女が泣きそうな顔をする。




それを見た高官が、代わりに自分のタケノコを切り取り、エリオットへ差し出した。




高官「……」




エリオット「バリバリ」




高官、白目。




エリオット「バリバリ」




国王、崩れ落ちる。




エリオット「バリバリ」




エドモンドは卒倒しかけた。




エリオットは、側近たちにも差し出した。




エドモンドは、涙ぐむサラン王国の人々を見て、申し訳なさそうな顔をした。




だが、エリオットが容赦なく彼の口にタケノコを放り込む。




エドモンド「……あっ、おいしい。」




他の側近も続いて口にする。


ラグナ「くっ…」


ラグナ「…バリバリ」


セオドリック「おいしいですね。」




通訳も微笑みながら、タケノコをかじる。




通訳「バリバリ」




高官「……!」睨む




通訳「……」




思わず目を逸らしながら、さらにもう一口食べる。




宮殿散策




通訳「陛下、公爵殿はサロン王国の文化に非常に興味を持っておられます。ぜひ、宮殿をよく見て周りたいとおっしゃられています。」




国王「…」




この野蛮な侵略者達にサロンの高度な洗練された文化が理解できるかはたはた疑問ではあったが、国王自ら案内することとなった。




国王「この宮殿は我々ナメタケ族の初代王タケラントによって建てられました。先代の王達が守り抜いてきた土地、そしてこの国の民を育ててきたこの場所を私はほこりに思っています。」




エリオットはおやつをつまみながら国王の説明に真摯に耳を傾ける。


エリオット「バリバリ」




しかし、あまりの美味しさにどんどん食べてしまいエリオットは器はあっとゆうまに無くなってしまった。




エリオット「………」




突如彼の脳裏にある妙案が浮かぶ




エリオット「ふふっ。」




国王「こちらが宮殿の礼拝堂で、ナメタケ族の神を崇拝す--」




ブチッ




国王「ッ…」




国王「こちらの温室は、特別なタケノコを育てる場所です。私達にとってタケノコとは食材だけではなく、治療や儀式にも使われる重要な---」




ブチッブチッ




国王「ッ…!!」




エリオット「バリバリ」




エリオットは国王の説明に感銘を受けながら


王の頭のタケノコをおやつに宮殿内を散策した。


ひとしきりまわった後王の頭は閑古鳥が無く有り様になってしまった。




エリオットは、サラン王国の宮殿を歩いている最中、あるものを見つけた。




黄金のタケノコ。




エリオット「ん。」指を一本立てる




通訳「ほしい。」




高官「…!?なりません!それは我等の国宝っ!!」


高官が真っ青な顔をし声を張り上げる。




エリオット「ん。」指を二本立てる。




通訳「もう一個。」




高官「…」絶句




国王は、悔しそうな顔をしながらも頷いた。




すると――




「……ひっく……ひっぐ……」




ついに、王女が泣き出してしまった。




するとエリオットが王女の方に身体を向け、


王女の顔をじっくり見つめる。


王女は恐怖で引き攣った。


ヴァルキリア帝国では絶世の美貌を誇る彼だが、

サランの人々にとってひょろりと細長いエリオットは不自然に引き伸ばされた色の抜けた化け物である。




サラン王国の人々が、一斉に警戒する。




王女を守るように、数人の兵が動く。




だが、エリオットはゆっくりと歩み寄り、膝をついた。




王女の目線に合わせるように、しゃがみこむ。




彼の胸元に光る宝石を外し、そっと王女の首にかける。




王女「……?」




きらきらと輝く宝石を見つめ、涙をぬぐう。




エリオットは、微笑んだ。




去り際




宮殿を後にするエリオットー一行。




エリオット「ばいばい。」




王女「……ばいばい……」




通訳は、名残惜しそうにサラン王国の人々を振り返る。




セオドリックは最後にタケノコをもう一つ口にし、満足そうに微笑んだ。




セオドリック「本当においしいですね。」




こうして、サラン王国とヴァルキリア帝国の交渉は、成功を収めた。



エリオット「はぁ……緊張したねぇ…」


通訳「よくできてましたよ!」


エドモンド「……」チラッ、ラグナに目配せ。



ラグナ「……」エドモンドに目配せを返す。


セオドリック「よし!これから観光ですよぉ……!」にっこり


エリオット「まずは、ご飯だね。お腹すいた。」


完。

次回予告 世間知らず世に躍り出る−−黒歴史爆誕☆

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