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第34話 ダンジョン二日目

 今日も約束の時間十分前に、私は待ち合わせ場所にテレポートで転移する。グレッグ達三人がすでに到着して待ってくれている。


「おはよう。今日はみんな早いな」


 皆の方へ行き挨拶(あいさつ)を交わす。


「おお、タクト来たか。じゃあミーティングが終わったら行こうか。その前に……」


 グレッグが笑顔で話す。


「昨日はありがとうな。あれからカーラを食事に誘って、仲直りできたんだよ」


「そうか、よかったな。もう変なことするんじゃないぞ」


 グレッグの報告にホッとしつつも釘だけは差しておく。


「カーラも機嫌を直してくれてありがとう。また一緒に頑張ろう」


「うん。迷惑かけてしまってごめんね」


 普段のカーラに戻っている。本当に良かった。


「というわけで、タクト」


 グレッグが私に近づき、肩に腕を回してくる。


「何なんだ、暑苦しいな」


「俺とお前はもう親友だ。いいよな!」


「唐突に何だ? もう仲間だろ?」


「ああそうだ。お前は俺達の仲を取り持ってくれた。そうだろ? 俺は感謝してるんだ」


 顔を間近にしてグレッグがニコッと笑う。


「いいよなっ?」


「ああもう、わかったよ。けど、カーラとアーノルドには迷惑かけるんじゃないぞ」


「わかったわかった。ということで今日から俺とタクトは親友だ」


 そう言うとグレッグはやっと肩を放して離れてくれる。ようやく暑苦しさから解放された。


「ふぅ、やれやれだな」


「まあそう言うな。それじゃあみんな、ミーティングだ」


 グレッグは今回の第十二階層についてのプランを皆に説明する。私達は提示されたダンジョンマップと魔物の出現位置を確認して共有する。


「今日のフォーメーションは俺とアーノルドが前衛だが、アーノルドに守護してもらいつつカーラに攻撃してもらう。タクトは援護を頼む」


「わかった」


 カーラとアーノルドもうなずく。


「ここに来る前にギルドに申請したが、今日は俺達の他に冒険者パーティーがいる。出会った際は俺が交渉するからそのつもりで」


 なるほど、前回はたまたま出会わなかっただけか。確かにその可能性はあるよな。


「了解した」


 私達が同意すると、グレッグが更に続ける。


「今日はこの階層のボスが出現するだろうから、倒したら終わりにする。たどり着くまでに時間がかかると思うから、休憩を取りながら進む」


 プランは決まった。私はみんなに必要な強化魔法と耐性魔法、無効化魔法を重ねていく。


「これでよし、準備はできたよ」


「サンキュー、タクト。じゃあ、行こうか」


 グレッグがポータルを出現させる。アーノルド、カーラ、グレッグ、私の順で中に入る。ポータルを出て私達は第十二階層の安全地帯に足を踏み入れる。洞窟のダンジョンで天井は五メートルといったところか。


「よし、そろったな。昨日より敵は強いが、俺達もレベルが上がっているからな」


「ああ、行こう」


 私以外の三人が武器を握り前へと進む。安全地帯を出て三十秒後、魔物の気配が(ただよ)う。


「来るぞ、手筈(てはず)通りに行動開始だ」


 グレッグの指示でそれぞれが役割を開始する。中型のダーク・タイガーが三頭出現する。彼らはこちらに気付き、駆け寄ってくる。


 アーノルドが大楯で迎え()ち、一頭を足止めする。アーノルドの背後からカーラがジャンプし、近づく他の二頭に攻撃をかける。


「風よ駆けよ! 疾風斬破!」


 カーラのスキルが炸裂(さくれつ)し、ダーク・タイガー達の身体を切り裂き爆散する。そのまま空中で回転して攻撃に転じる。


火の玉弾(フレイボム)!」


 宙を舞うカーラの二刀を重ねた先から火の球が飛び出す。アーノルドが抑えているダーク・タイガーにヒットして火だるまにする。


「あ、威力足りないか」


「いや、十分だ!」


 アーノルドの横からグレッグが必殺の一撃を打ち込む。会心の一撃にダーク・タイガーが爆散する。


「ナイスアシスト、グレッグ!」


「私一人じゃ倒せない敵だった。ありがとう」


「美味しいところ頂いちまったな。この調子で進むぞ」


 魔物が落としたアイテムを回収し、私達は先へ進んだ。その後も遭遇する魔物達と戦闘を重ね、四人の連携で切り抜けていくのだった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!


「面白いかも!」「続きが読みたい!」「陰ながら応援してるよ!」


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