ウミガメ
ある島での出来事
「もっと奥まで差し込め!」
「でも旦那痛がってますぜ」
「バカヤロウ、何言ってんだ、カメの鼻にストローを差し込むだけで1万ドルだぞ」
「はいはい、やりますよ。でも、もうすでに”おだぶつ”の亀は50匹ですぜ」
「大丈夫だ、この島にはカメなんてごまんといるんだ。それにあれは良い鼈甲になる」
「それは”ワシントン条約”とやらで出荷出来ないんじゃ?」
「それはうまくやってくれる人がいる」
「でもなんでカメの鼻にストローなんてを刺すんです?」
「それは俺もよく知らねぇ。何やら、”環境がどーたらっ”て言ってた」
「それでこの後どうするんです?」
「なんか獣医とカメラマンがやってきて撮影するらしい」
「何を撮影するんです?」
「ストローを抜くところだよ」
「ストローを抜くんですか?じゃあ、何で刺してるんです?」
「うるさい、余計なことは考えるな」
「 ”マドモワゼル” 撮影はうまくいきました。絶妙なアングルで...」
「そう、良かったわ。もうすでに1兆本のストックがあるのよ。早くさばかないと倉庫があふれるわ」
「でも作るのは受注があってからでも良かったんじゃ?」
「それじゃ遅いの。あなた、ダイヤモンドやウラニウムから何も学んでないわね」
「何をです?」
「もう良いわ」
「ところで何で亀なんですか。海なら、鯨や、イルカ、サメなんかもいますけど。ストロー刺すなら
鯨のひげの代わりに刺すとか、サメの歯の隙間にいっぱい入れるとかの方がインパクトが有るんじゃ?」
「・・・わかったわ。次回はあなたに頼むわね」
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続く