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愛こそ必要悪で正義 -sins-  作者: 社容尊悟
Ⅰ 生徒と先生
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修道女アキヤ


 とある教会の仮聖職者、アキヤ。

 ここの修道女である。

 彼女の元にやって来るのは、禁断の愛を犯した者。

 今日も一人、やって来た。

 アキヤは洗礼の儀式を執り行う。

「今ここで汝の罪は洗い流されることになろう」

「ありがとうございます……ありがとうございます」

 涙を流す少女にアキヤは話を聞いた。

 気の遠くなるような、長い、長い話だった。

 それでも静かに聞いていた。

 少女の話が終わった後、アキヤは問う。


「貴女のお名前は」

星屑真宵(ほしくずまよい)と言います」

「まよいさんですか。私はアキヤ。また何かあったら話をしに来てくださいね」

「はい! ありがとうございます!」

 星屑真宵は頭を下げて、教会を去っていった。

 アキヤは彼女がいなくなるまで手を振って、教会のドアを閉めて鍵をかけた。

 ここからはこの教会ならではの、修道女の仕事の時間。

 日記をつけるのだ。

 教会の奥の部屋、アキヤの自室で。


「さて、今日は……生徒と先生ですか。これはまた甘美なお話ですね。修道女たる私の煩悩が弾けてしまいそうですよ……」

 平静を装いつつも、アキヤの胸は高鳴っている。

 早く日記をつけたい。

 自分の世界に飛び込みたいという思いが、溢れてくる。

 自室は書斎。

 ドアを開けて、ふうとため息をつく。

「ううん……仮聖職者になって良かった……」

 感動のあまり、涙する見習いの聖職者。

 万年筆を手に、羊皮紙に文字を記していく。

「さてさて、日記をつけましょう……」


 一日につき、たった一人だけしか受け入れない辺鄙なところに位置する教会。

 今日もたった一人で懺悔日記を記すのだ。

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