表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載版】死亡エンドしかない悪役令息に転生してしまったみたいだが、全力で死亡フラグを回避する!  作者: 柚希乃愁
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/121

闇の塊

 翌日。

 レオナルドは空を飛び、ムージェスト王国の北側に広がる山岳(さんがく)地帯を目指していた。

 そこにワイバーンがいるはずなのだ。この情報はもちろんゲーム知識から来ていて、主人公達が将来討伐(とうばつ)(おもむ)く可能性があるのだが、一体くらい大丈夫だろう、とレオナルドは考えている。


 飛行中、レオナルドとステラは今回の件について会話していた。

『昨日は聞きそびれましたが、ワイバーンはいくらくらいになるのですか?』

「たぶんだけど、金貨二百枚はいくと思う。全部が素材になるから本当はもっといくはずだけど、肉とかは持って帰るのが面倒だから」

『それは相当強い相手なのでは?よく一体で足りるとか簡単に言いましたね。今のレオに倒せるのですか?』

「まあ強いのは間違いないけど、相手は空を飛んでるからさ。普通だと剣は届かなくて魔法でしか攻撃できないんだよ。しかも(けわ)しい岩山にいるから、行くのも大変だろ?だから稀少(きしょう)価値で値が高いんだ。でも俺達は違う」

『確かに。普通の人間にとって不利な条件が(そろ)ってるんですね』

「そういうこと」

『しかし、それほど稀少なものなら、面倒がらず、そのまま(かつ)いで帰ればいいのでは?』

「そうかもしれないけど、それめちゃくちゃ目立つぞ?」

 ワイバーン一体を王都の冒険者ギルドに運ぶ自分の姿を想像して、レオナルドはめちゃくちゃ嫌そうな顔をした。

『まあそうでしょうね。けれど、そのための変装(へんそう)じゃないですか』

「そう言われるとそうなんだけどさ……」

 変装すればレオナルドだとバレないし、身体強化すれば運ぶのも容易(たやす)いのは事実だった。

『まあそれはレオの判断に任せます。ですが、今更(いまさら)ですけど、当初レオが目標にしていた金貨百枚はもう少しで()まりますよね?追加でそんな大金は必要ないと思うのですが?』

「それもその通りなんだけど、持ち金がゼロになるのは()けたいし、俺が思ってる金額が絶対って(わけ)でもないだろ?多くあるのに()したことはないさ」

『……なるほど』

 ステラは内心で思った。今レオナルドが必要だと思っているということは、この後、()()()()()()()()()()()のだろうな、と。


 そうして、ステラと話しながらレオナルドはとうとう人の寄り付かない岩山上空に到着(とうちゃく)した。

「お~、三体も飛んでるな」

 レオナルドは眼下(がんか)に広がる光景を確認した。緑色の(うろこ)に、大きな翼、太い尾に、(するど)い牙をもつ飛竜。間違いなくワイバーンが三体、レオナルドよりも低い位置を飛んでいる。

『あれがワイバーンですか』

 ステラもワイバーンの魔力を確認し、十分レオナルドが倒せる相手だと判断した。

「ああ。じゃあ、早速一体倒そうか」

 すでに腰には黒刀を装備しており、準備は万端(ばんたん)とレオナルドが意気込(いきご)んだそのとき――――、


「っ!?」『レオ!気をつけてください!急速(きゅうそく)にこちらに向かってくる者がいます!』


 レオナルドが身体を硬直(こうちょく)させたのと、ステラの言葉はほとんど同時だった。

「……ああ、()()()()()()()()

 レオナルドが言いながら感知した方角を見やると、(やみ)(かたまり)、そう表現するしかないほど禍々(まがまが)しい魔力を全身から(あふ)れさせているモノがレオナルド目掛(めが)けて一直線に高速で接近してきていた。

「ははっ、アレはマジでヤバいな……」

 レオナルドの口から思わず(かわ)いた笑いが()れる。


 これまでの経験でわかったことだが、レオナルドはセレナリーゼくらい膨大(ぼうだい)な魔力を持った者が、その制御(せいぎょ)が甘く(あふ)れさせている場合に、感知できるみたいだった。ステラ(いわ)く、これはレオナルドの霊力が膨大で、感じられる最低ラインが高すぎることが原因らしい。だから小さい魔力は感知できず、ステラ(だよ)りになっている。

 ただし、レオナルドの場合、視認(しにん)しさえすれば、魔力が小さくても体から漏れ出る魔力を見ることができる。

 つまり、レオナルドが感知できたということは、後十秒もすれば目の前に到着してしまいそうな闇の塊はそれほどの魔力を(ゆう)しているということだ。


『あれは危険です。ここは退()くべきです』

「それは同感だけど、逃がしてくれそうにないな」

 闇の塊は先ほどからレオナルドに対して強烈(きょうれつ)な殺気を放っており、その目はレオナルドを完全に(とら)えている。それに相手のスピードは明らかにレオナルドよりも上だ。逃げようとしてもすぐに追いつかれてしまうだろう。

『……ならば戦うしかありませんね。レオ、白刀化と身体強化を!』

 ステラの決断は早かった。素早(すばや)くレオナルドに指示を出す。

(ああ!)

 ステラの言葉に(こた)えるように、レオナルドが黒鞘から黒刀を抜き(かま)えると、黒鞘と黒刀、そしてレオナルドの金髪が、真っ白に変化する。全身からも真っ白な霊力(れいりょく)を放っており、最初から全力全開(ぜんりょくぜんかい)相対(あいたい)するつもりのようだ。

(一応伝えとく。あれはブラックワイバーン。ワイバーンの特殊(とくしゅ)個体で、ゲームでは()()に登場するボス級の敵だ)

 そう。近づくにつれその全貌(ぜんぼう)が明らかになった相手の姿。全身を闇色の(うろこ)(おお)われた、通常のワイバーンよりも一回(ひとまわ)り大きいワイバーン。

『っ、それはまた倒しがいのある敵ですね』

 ステラが不敵(ふてき)に言ってみせる。レオナルドの言葉が示しているのは、主人公達が最大級に強くなってから戦う相手ということだ。つまり、今の自分達に倒せるかは未知数(みちすう)、というより正直()が悪い。ブラックワイバーンはそれほどの強敵だった。

(本当にな!)

 レオナルドもそれはわかっているのだろう。(ほほ)を冷や汗が伝っている。それでも、ステラの言葉に後押(あとお)しされるかのように、レオナルドは刀を構えながら不敵な笑みを浮かべてみせた。


 そして戦闘が始まった。


お読みくださりありがとうございます。

面白い、続きが気になるなど思ってくださった方、画面下の☆☆☆☆☆から応援していただけると嬉しいです!

【ブックマーク】や《感想》、《イチオシレビュー》も本当に嬉しいです!

モチベーションがとんでもなく上がります!

何卒よろしくお願い致しますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ