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第一章『聖書を売ろうとした腐敗した人間の屑』

おいらの第一印象は人の顔を凝視するダルマに似ているヤバイ奴。タバコは一日4箱吸うんだ。タバコが切れた時は相手の気持ちも考えず、無遠慮に何本かタバコを奪うのさ。相手が嫌がっていても呼び捨てで呼び、さん付けをしたくないのさ。


仕事をするのは嫌だ。休み時間とお昼ご飯の時間になれば、おいら喜々として動き出すんだ。


人に無遠慮にケチを付けるおいらは、野球と電車が好きなのさ。野球と電車の話しが理解されないとおいら途端に怒っちまうのさ。おまけに文章力も全くないし、人によって態度を変えちまうおいら。相手が年上であれば敬語を使い、年下に対してはタメ口。30代に入ってからは自転車の窃盗で捕まっちまったのがおいら。ちなみに友人は放火をしたんだ。


話しは変わるけど、この間旅行へ行って写真を撮ったのさ。それを友達にLINEで一度に30枚くらい送ったおいら。その人には、特に用事もなく、今何してるか聞くためだけに、1日中相手が出るまで、何度も何度も電話をかけるんだ。この間は1日6件かけたんだけど相手は全く出てくれなかったよ。


そんなおいらは、相手の住所まで知らなきゃ気が済まないのさ。


仕事仲間には突き放すように「おはよう」「おかえり」と挨拶するおいら。



この間彼女に振られたんだけど、2日で立ち直って、すぐ別の女に目を付けたおいら。


聖書の話がとにかく嫌で、作業所の喫煙所でその話になるとすぐ逃げるようにしてるおいら。


歯はボロボロ。憧れてるのは、弟分。赤ワインを飲む時はグラスを一気飲みして、同席した人に金を貸してとせがむおいら。


歌を歌ってもてんでダメ。


色々な作業所を転々としていて、自分の事は棚に上げ、気に入らない人の事は馬鹿にするのさ。おいら怒ると物に当たるんだ。この間は作業所の椅子を蹴って謹慎くらって、タバコを投げたのさ。


人の話を聞く力もない。


この間は駅のホームにクモの巣があったから、電話で鉄道会社にクレームを入れたのがおいら。


悪事を働く時は自分の立場を考慮した上でそうするおいら。


最近じゃ足と腰がやられてきてて、口にした事はとにかく守らない。仕事は平気で放棄するし、この間は相手の企業さんの中で菓子も食ったよ。仕事する時は、手を抜くのがおいらのやり方なのさ。ビール工場ってあるよね。おいらただ無料で酒が飲めるってだけで、その場所へ見学へ行くのさ。


社会で自立する力はなくて、言葉遣いが極端に悪いおいら。仕事中も周りをジロジロと見て、足を広げ、尊大な態度で臨んでいるおいら。仕事に対しての集中力が、おいら全くないのさ。


この間は他人の読んでいる本を無遠慮に覗き込んで、そいつが何の本を読んでいるのか確かめたのさ。へなへなしていて頼り甲斐がないんだ。自分好みでない食べ物に対してはあからさまに文句を言うのさ。人並みのコミュニケーション能力がなくて、国家公務員だった人からまず第一にやばい人認定されたおいら。


金の腕時計をはめ、サングラスをかけ、ダボダボした服を着た柄の悪いのが、おいら。コーヒーを麻薬と呼び、砂糖を何本も何本も入れ、それを大きなマグカップで飲むのが、おいら。ちなみに友達とコーヒーショップへ行った時の話なんだけど、その時は友達にだけ注文させて、おいらは何も頼まず、持ってきた水筒からコーヒーを飲んで、タバコを吸ったよ。



面接を受けに行った事もあるけど、週5日働くのが嫌になって、選考を辞退したおいら。それ以降は全く就活はしてないんだ。


元社長で実績のある人が作業所にいるけど、空気を読まず、その人が仕事中でも話しかけるおいら。自分より目上の人に対しても君付けなのさ。そして目上の人もおいらにとってはパシリなんだ。


過去に起こった嫌な事は見つめたくないし、反省もしたくない。これからを改善していく強さのないおいら。おいらにとって生活保護は、働かなくても済むために積極的に利用するための制度なのさ。


ドタキャンばかりして、美意識は全くない。外で歩きながらものを食べ、職場の事務所で平気で屁をこき、その事を周囲の奴らに公言してやるおいら。この間は便も漏らしたんだけど、その事も恥ずかしがらずに公言したよ。所長からの注意も無視し、向かい側に人がいるにも関わらず、口を手で押さえずくしゃみをし、痰と唾を灰皿に捨てるおいら。怒られたってへらへらしてるのさ。怒る方にも呆れられてて、あらゆる物事に対する計画性がないのがおいら。早弁するために、やりたくもない清掃をするのさ。目の前の仕事に頭を使わず、タバコ、昼飯、昨日食べたご飯に思いを巡らせ、作業場をふらつくおいら。仕事中にコーヒーマシンの前に行き、休み時間に飲むための準備をするのさ。自分の手で鼻をかみ、それをべろんと舐めちまう。浮浪者予備軍であり、日本人としての恥であり、人格的な落伍者。人の宗教心を利用し、聖書を売りつけ、1500円を得ようとしたのがおいらなのさ。彼女に対する思いやりもないし、「愛してる」と口では言うけど、本当に愛してるのはその言葉を口にしている自分なのさ。


女は身体だよ。


巨乳が好きなんだ。


心はいつでも鈍感で、人の事は呼び捨てにするけど、自分の事はさん付けでないと許せないおいら。


流れに身を任せ、欲望のまま生きているだけで、何も学んでこなかったおいら。


まともに言葉すら操れないおいら。


そんなおいらを知った人からかけてもらった言葉が、これさ。


『この人を救う事は出来ない。』

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