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第24話 アイテムボックス内の移動は安全過ぎた

 うまくいった、どうやら全員中に入れたな。フェリーナも加わって六人になっていたが、問題ないみたいだ。


「本当に移動しているの? この【アイテムボックス】?」

「あぁ、信じられないだろうけど、俺の移動とともに前後左右に動いている。そして出るときも、移動した距離に応じた場所にちゃんと出るんだ」

「凄いわ。これならどこへでも行き放題じゃない!」

「いや、そうでもないんだ」


 俺は歩きながら話し続けた。


「あえて縛りがあるとすれば、前後左右くらいにしか移動できないことかな。高低差が大きくあるような移動はできない。例えばこの地下迷宮の地下に移動したくてもできないだろう」

「そうなの。でもこの【アイテムボックス】内なら、絶対安全でしょ!?」

「あぁ、見ろよ外を! あいつらが……」


 ラーサーが〈ペリスコープ〉の映像を見た。なんと外でさっき遭遇した『白銀の彗星』のメンバーが、戦闘を繰り広げている。


「ダークスケルトンと戦ってるのね、罠だとも知らずにいい気味ね」

「まぁ、あいつらにとっては敵ではないから……もしかしたら強行突破するかもね」

「いや、まだ終わりじゃない」


 俺は外を見ながら言った。


「終わりじゃないってどういうことよ?」

「実はダークスケルトンだけじゃない。さっき、こう言われたんだ。ダークスケルトンの群れと、もう一体Sランクのモンスターが出現するって」

「Sランクですって!?」

「マジかよ、一体どんな奴が!?」

「名前まではわからない。だけど、ダークスケルトンの群れで終わらない可能性は高い。だから俺達も急いでここを突破した方がいい」

「言われたって……あの、誰かがロバートさんに教えたってことですか?」


 ジュディが痛い質問をした。


「ああ、それは……その、なんというか俺でもよくわからないんだ。天の声というか、その……」


 これについては俺でもよくわからないから、なんて答えればいいか迷う。どうしよう。


「いいじゃないの、細かいことは。ロバートの言う通り行動していれば、私達は安全。これでいいじゃない!」

「うん……そうね」


 タウナの適当な性格に助けられた。


「私は気になるわ」


 フェリーナがぼそっと呟いた。


「フェリーナ、どうした?」

「多分、あなたが聞いたのは【アイテムボックス】の設計者の声じゃない?」


 フェリーナの言葉は衝撃的だった。


「ど、どうしてそれを!?」

「私も【アイテムボックス】持ちよ。そういう存在がいるって言うのは、噂で聞いたことあるわ」

「そうなのか、もしかして君も……」


 俺はどう聞けばいいか迷った。でもフェリーナは顔をそむけた。


「ごめんなさい、あなたを混乱させて」

「こ、混乱だなんてそんなことないよ!」

「またこの話はあとでゆっくりしましょう。それより今は、ここを離れることよ」


 フェリーナの言う通りだ。俺はひたすら歩き続けた。そしてさっきの分かれ道が三つある広間に出た。


 ゲイル達は相変わらず外でダークスケルトンと戦っている。それをしり目に、俺は正解のルートである一番左の通路の入口を見た。


「見て、鉄格子が邪魔してるわ!」

「そうか……でも関係ないよ」

「おい……まさか」

「そう。【アイテムボックス】での移動なら障害物であっても、素通りできるんだよ」

「本当にできるの?」

「まぁ、見ててよ」


 俺は鉄格子に向かって歩き続けた。鉄格子が目と鼻の先まで来た。全員が思わず目を閉じる。


 そしてしばらく歩いて、全員が目を開けて驚愕した。


「嘘……通り抜けた!?」


 〈ペリスコープ〉の映像には鉄格子は影も形もない。【アイテムボックス】でいつの間にか、通り越してしまった。


「本当に通り抜けてるわ、信じられない!」


 ジュディが地図を見ながら言った。俺達の現在地は、確かに鉄格子の向こう側にある。


「はは、こいつはすげぇぜ! これならどんなトラップが襲い掛かっても平気だな」

「本当にお前さんが味方になってくれてよかった。なんて礼を言ったらいいか」

「いや、礼には及ばないよ。それより、この先はこのまま真っすぐでいいのか?」

「えぇ、そうね……この先にまた二手に分かれてるみたい。あ、でも次の分かれ道は合流して、その次は……地下へ降りる階段よ」

「なるほど。それなら次のどっちの分かれ道がより早くたどり着ける?」

「えぇっと……右ね。右に行けば左より早く着けるわ」

「よし、それなら右に……」

「待って。分かれ道が合流する……この手のダンジョンで大事なのは距離よ」


 タウナの言葉に全員が注目した。


「距離がそんなに大事なのか?」

「スタンリー、分かれ道はたいてい早くたどり着ける方が危険が多いんだ」

「そうよ。具体的にはモンスターや罠が多いの」

「あ、そういえば……」


 なるほど。確かに距離が短い方が危険が多い、昔からダンジョン攻略において気を付けなければいけない知識として教えられていたっけ。


「でも、行くのは当然右だろ?」

「そうよ。だってあなたの【アイテムボックス】内で移動すれば……」

「モンスターや罠があっても大丈夫」

「そういうことになるか。それじゃ右に行こう」

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