冬から春へ 2004年4月
鳥の国から すずがも通信145号 2004年4月号掲載
冬から春へ
例年だと、この時期はウグイスのホーホペチョ(へたくそなさえずりはじめ)を書いていることが多いのですが、今年はわが家のまわりでウグイスやアオジをほとんど見かけないので、私はまだ声を聞いていません。保護区内で作業をしている人たちは聞いているとのこと。竹藪でねぐらをとっていたムクドリたちも、それぞれの巣作りにかかっているのか、このごろは来ていないみたい。距離わずか25mの通勤途上でも、それなりの出会いがあるのに、いつもお目にかかるのは、足環付きの人なつこいスズメ(昨年放鳥したもの。仮設禽舎まわりの地上が好きで、いつ猫にとられるか、はらはらしている割にはがんばっている)と、毎年来ているアカハラくんだけ。アオジ、ウグイス、ジョウビタキ、といったやぶを好む連中が軒並み少ないのはさみしい限り。
2月16~18日は浦安高校2年のインターン生さん2名が実習。オオフサモがはびこって浅くなり、水もほとんどなくなっていた餌場の池を掘り直してもらいました。2日目は保護区内の水路掘り、3日目は同じく保護区内のみなと池棚田の畔なおし。なんのことはない、3日とも泥掘りでした。初日の感想が「泥だけはもう嫌」だった清水くんのアンケートに、なぜか「ものすごく楽しかった」 よくわからないけど、ま、いいか。
さて、その池で2月22日ごろから「蛙合戦」が始まりました。ヒキガエルの抱接・産卵。暮れ方、コッコッコッ、という声が聞こえてきます。他の雄に乗りかかられた雄が、「おれはオトコだ、いい加減にせえ!」と言っている「抱接拒否」の声。リリース・コールというそうです。