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現在進行 鳥の国 3  作者: 蓮尾純子
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クマネズミ   2004年2月

鳥の国から   すずがも通信144号  2004年2月掲載


   クマネズミ


 餌場のカワウ軍団は常時13~15羽。幼鳥で放鳥してからまる2年たった「ウーちゃん」もきれいな白髪になりました。あいかわらずバケツ乗りをやってくれるのですが、ゆっくり芸をしてもらうどころか、どどっと集まる連中に餌をひっくり返されないようにするのがやっと。中には野鳥病院出身ではないはずのノーマークの若鳥が何羽もまじっていて(最高4羽)、まあ誰しものことだけれど、安易な方向へ走るんだな、と少々あきれ気味。人がいることに何の不安も持たず、ひたすら餌の行方だけを見つめています。近々のうちに手捕りにして標識足環をつけてしまうつもり。

 手捕りと言えば、北池の標識調査の網場で、達夫さんがなんとオオタカの若鳥を手捕りにしましたよ。12月26日のこと。珍しくたくさん網にかかったツグミをねらって網場に下りたところだそうです。有頂天の達夫さん、せっかくの勇姿を撮ってもらったのに、顔がゆるみっぱなしで、お見合い写真にはちょっと無理。

 1月8日の夜、野鳥病院の廊下に入って行くと、左手の壁を垂直に駆け上がった忍者のような生きものが。もう成獣といってよい大きさのクマネズミでした。何の足がかりもない板壁を、ほんとうに床から90度の角度で2.5m近くも駆け上ったのです。なんと戻りぎわに、今度は反対側の壁を同じく垂直に、もう少し小柄なのが駆け上りました。うそでしょ、という感じ。

 このごろ、ハツカネズミをさっぱり見かけません。完全にクマネズミに制覇されてしまったみたい。昔だったら三毛猫のカスミにパトロールをさせたのだけど、もう16歳の婆猫。フクロウにネズミ捕りをさせるため、廊下に放飼いにしようものなら、クマネズミの逆襲に逢いかねないし。

 年末にハヤブサやチョウゲンボウを放鳥して、ちょっと気をよくしている鳥の国でした。でも、ネズミ、どうしよう。 



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