マリモちゃん 2005年10月 すずがも通信154号
鳥の国から すずがも通信154号 2005年10月
マリモちゃん
食物連鎖の頂点にのぼる猛禽類といえば、今年の野鳥病院はちょっとした見もの。フクロウ2・アオバズク1・オオコノハズク1、ハヤブサ1・チョウゲンボウ3・トビ1・サシバ1・オオタカ1・ツミ2と9種13羽もの猛禽が在籍中。やっかいなのは、このうち自力採餌をしてくれないのが4羽もいること。なかでもガンコで手に負えないのが、3月入所以来いまだに食べないオオタカくん。他の鳥といっしょにしたら食べ始めるかも、と、仮設禽舎の猛禽部屋に入れてもだめ。ま、半年間強制給餌を続けた後で自力採餌をはじめ、今では室内を飛びまわるまでに回復したアジサシの例もあることだし、と、みんな泣く泣く(オオタカも啼く!)割餌を続けています。
9月2日、1年半もかかった手続き等々がようやく終わって、上野動物園にツツドリ・オオルリ・アマサギ各1羽が引き取られました。台風余波の風がおさまり、お天気が安定したら、治療室を縦横に飛びまわっているツバメやイワツバメの幼鳥たちを放します。長かった入院ラッシュもぼちぼち終結へ。
今年の入院鳥の人気NO1は、ふかふかに丸くなって眠る姿から「マリモ」と呼んでいるメジロの若鳥。このお姉さんメジロ(♀です)、後輩のヒヨドリのヒナたちにせっせと餌を運んでやるのです。自分の何倍もあるヒヨドリの頭や背中に乗って、丸ごと呑まれそうなありさまで餌を与える姿、なんともケナゲ。ただ、このごろ少々人気落ち。マリモ2号が入所したためです。2号のほうがちっちゃくてかわいい、というせいではなくて、1号ときたら、同種の2号が慕い寄ってくるのを無視してヒヨドリに夢中。それどころか、2号が口いっぱいの餌を呑みこめずにもたもたしていると、横取りしてヒヨドリの口へ。あんまりだ!
それなりに、話題満載の鳥の国でした。