コアジサシ回復中 2005年8月 すずがも通信153号掲載
鳥の国から すずがも通信153号 2005年8月掲載
コアジサシ回復中
「え、もう空?」 うれしい悲鳴。中部屋に囲ってあるコアジサシたちの餌皿がきれいに空っぽ。ぐんぐん元気を回復している証拠なので、とてもうれしいのですけれど……。餌は生きた小魚。「仕掛けてあるビンドウに穴があいて、逃げちゃうんですよ。この調子で食べられると、明日の分の確保があやしい」
検見川浜にできているコアジサシのコロニーで、7月9日に調査に入った松岡好美さんと箕輪義隆さんが、へたりこんでいる成鳥3羽を保護。まったく外傷がないのに、全身に力が入りません。見たところ、ちょうどボツリヌス中毒のよう。ともかく、うすめた栄養液をせっせと飲ませて、体を暖めて、少しおちついたところで少量の餌を与えてみました。翌日の午後、いちばん調子が悪かった1羽が死亡。残る2羽は幸いに日ごとに着々と回復。14日には室内を飛びまわり、生き餌を自分から食べるようになりました。15日朝、コアジサシがいる中部屋に入ってみてびっくり。2羽がなんと頭上をひらひら。白い飛び姿を下から見上げて、感動してしまいました。あと一息で放せそう。それにしても、原因は何だったのでしょうか。
今年は「カルガモセット」の持ち込みがまだゼロ、という初めての年。ふ化したばかりのヒナたちを母鴨が引率して水辺に連れて行く途中、U字溝に落ちたり、塀や道路に阻まれたりして立ち往生、親子とも保護された場合はそのまま放鳥できますが、たいていは親が飛び去ってひと腹分のヒナだけ保護、というのが「カルガモセット」、