表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現在進行 鳥の国 3  作者: 蓮尾純子
38/100

農閑期の作業目標   2005年4月   すずがも通信151号掲載

保護区はいつも現在進行   すずがも通信151号  2005年4月


   農閑期の作業目標


 こつこつと進めていたみなと池棚田の畔つけかえがようやく終了。みなと池棚田は5段10枚。理論上では、どの1枚に水を入れることも、どの1枚だけを干上げることもできるように作ってあるのですが、なかなかどうして。アメリカザリガニやら、クロベンケイガニやら、フルタイムどころか全生活時間・全生涯をかけて穴を掘る連中が無数にいるので、思いきって畔を新しく作り替えた今年、水調整がどこまでできるか。畔なおしの時、幼虫越冬のコオロギ類が見つかったそうです。いつの間に、どこから来たのでしょうか。でも、よく考えてみると、春から鳴くキンヒバリのほかにも小さな虫の音を聞いているなあ。

 新浄化池や竹内が原の管理作業の中に、ささやかな生物調査を組み入れることにしました。1測点につき100㏄程度の泥をとって、水質調査と同時に簡略な底生動物調査をやります。1か月前、新浄化池第三系列(冬中干上げて植生コントロールのためのユンボ―がけ・トラクターがけを実施)に水を戻した直後に初回の調査をやりました。干上げ後に水を戻したばかりの場所は、当然ながらイトミミズ等も皆無。管理作業のやり方の違いで、生物が増えるか減るかがみもの。

 「農閑期」もあとわずか。年度末のこの時期は、フルタイムスタッフは全員デスクワークに追われます。そうこうしているうちに、繁殖地整備・草刈りシーズン・「草抜き」シーズンがスタートし、田ごしらえ、田植え。

それでも何年か続けてきているありがたさで、節目節目の作業の見当だけはつくようになってきました。20年前のコントロール対象だったセイタカアワダチソウは、地下水位の上昇でわけなく消えたし、15年前の最大の対戦相手だったアシは、2~3月の芽吹き時期にトラクターをかければ、やはりわけなくコントロール可。

 目下の相手であるヒメガマについても、決め手となる「何か」がいつか見つかるかも知れません。現在進行の醍醐味。

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ