表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現在進行 鳥の国 3  作者: 蓮尾純子
34/100

ま、ぼちぼち   2005年2月   すずがも通信150号掲載

保護区はいつも現在進行   すずがも通信150号  2005年2月号掲載


   ま、ぼちぼち


 12月27日、3か月ぶりに保護区に足を踏み入れました。9月のお月見以来です。その前は「葛切り」に行く時に福永杏さんとふたりで通過、だったかな。

毎週観察会を案内している嘉彪のほうは、ひととおり様子がわかっているわけだけれど、私はとんとご無沙汰でした。兄さんがたに管理作業をまかせて安心しているせいです。ひさびさの保護区の中は黒々とした土や、清々しく冬枯れした草や、松葉の匂い。別天地ですね。稲架の解体や稲束まとめをちょっとだけ手伝って、帰ってきました。

水・土・草・鳥、こうしたものを扱う仕事のありがたさ、奥の深さ。でも、なかなかぜんたいを見通せない。手が回らない。ま、ぼちぼち行こか、というところ。

 きちんと調査をはじめてから4回目のカワウ繁殖期。今年はスタートが早めで、11月下旬には早くも巣作りの様子が見られ、そうとうあわてました。ところが11月22日に、3千羽以上だった数が急降下。繁殖行動も一時下火になって、結局本格的な巣作りが始まったのは12月中旬から。1月7日現在、1700羽あまり(8割以上が美しい白髪羽)がコロニーに定着していて、巣の数も500をこえました。尾を立てた抱卵姿勢でしっかり座っているものも見られます。

 最初のヒナが見られるのは1月末でしょうか。2月に入ってからでしょうか。今は見ていてとても面白い時期。「ここに巣を作りますよ」という「翼うち(私は勝手に「ぱたぱたディスプレイ」と呼んでいます)」―翼を閉じたままぱっぱっと上下させる―が盛んに見られます。巣材をくわえて飛んでいるもの、巣に戻って巣材を渡すところ、2羽で同じ枝をくわえたり、首をからめたり、交互に首を倒したり、という熱烈な求愛ディスプレイも盛ん。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ