ま、ぼちぼち 2005年2月 すずがも通信150号掲載
保護区はいつも現在進行 すずがも通信150号 2005年2月号掲載
ま、ぼちぼち
12月27日、3か月ぶりに保護区に足を踏み入れました。9月のお月見以来です。その前は「葛切り」に行く時に福永杏さんとふたりで通過、だったかな。
毎週観察会を案内している嘉彪のほうは、ひととおり様子がわかっているわけだけれど、私はとんとご無沙汰でした。兄さんがたに管理作業をまかせて安心しているせいです。ひさびさの保護区の中は黒々とした土や、清々しく冬枯れした草や、松葉の匂い。別天地ですね。稲架の解体や稲束まとめをちょっとだけ手伝って、帰ってきました。
水・土・草・鳥、こうしたものを扱う仕事のありがたさ、奥の深さ。でも、なかなかぜんたいを見通せない。手が回らない。ま、ぼちぼち行こか、というところ。
きちんと調査をはじめてから4回目のカワウ繁殖期。今年はスタートが早めで、11月下旬には早くも巣作りの様子が見られ、そうとうあわてました。ところが11月22日に、3千羽以上だった数が急降下。繁殖行動も一時下火になって、結局本格的な巣作りが始まったのは12月中旬から。1月7日現在、1700羽あまり(8割以上が美しい白髪羽)がコロニーに定着していて、巣の数も500をこえました。尾を立てた抱卵姿勢でしっかり座っているものも見られます。
最初のヒナが見られるのは1月末でしょうか。2月に入ってからでしょうか。今は見ていてとても面白い時期。「ここに巣を作りますよ」という「翼うち(私は勝手に「ぱたぱたディスプレイ」と呼んでいます)」―翼を閉じたままぱっぱっと上下させる―が盛んに見られます。巣材をくわえて飛んでいるもの、巣に戻って巣材を渡すところ、2羽で同じ枝をくわえたり、首をからめたり、交互に首を倒したり、という熱烈な求愛ディスプレイも盛ん。