はなまるマーク 2004年10月 すずがも通信148号掲載
保護区はいつも現在進行 すずがも通信148号 2004年10月号掲載
はなまるマーク
さて。6月以来、執念・悲願・麻薬 とまで表現しつつ「竹内が原の植生コントロール」に取り組んできました。昨年来、延々7か月もの間、揚水を止めて干上げ、2月いっぱいを費やして小型重機とトラクターで全面的にヒメガマの根を掘り上げて耕したところ。目標は淡水湿地をこのむシギ・チドリの誘致で、彼らが好きなのは、植物の被度が1~2割以下という裸の泥地で、水がひたひた、という環境。なかなかむずかしいゴールです。
徹底した重機とトラクターがけのおかげで、地下茎からのヒメガマの復活はほぼ皆無と言ってよいほどだったのですが。種子からの発芽は止められません。5月・6月と日がたつうちに、浅い水面がみるみる緑におおわれて、みごとな草の海に。トラクターを入れて耕してみよう、という試みは、すぐさまトラクターがはまって動けなくなり、あっさり挫折。
男衆ぜんぶ、ばかりか、ボランティアさん方まで巻き込んで、延々8月下旬まで続けられた草抜き・草刈り・草どけ作業の成果。竹内が原の開水綿や泥地には、着実にシギ・チドリ類、サギ類、そして到着しはじめたカモ類が入っています。淡水湿地の指標種であるタカブシギも入ってくれたもよう。昨年はシギもサギもほとんど入らなかったことを考えると、やっただけのことはあったなあ。生きものたちから、しっかり「合格!」のはなまるマークがもらえたみたい。
暗くなると、あたりは虫の大オーケストラ。UFO島の岸には白い花のように白鷺たちが就塒。秋の訪れはなんとなく心さみしいけれど、青空に浮く雲を見上げて、雲の上を飛ぶ鳥たちにメッセージを送ったところ。
うん、やっぱり地球に絵を描いて行く仕事なんだ(「アホウドリーオキノタユウ」の長谷川博さんのことばです)。