飼育下の事故 2004年10月
鳥の国から すずがも通信148号 2004年10月号掲載
飼育下の事故
8月にはあちこちで事故が相次ぎました。昨年から使用中の仮設室は大小2室で、大きいほうにはタカ類と、獰猛でものすごくきれいなハッカンの雄。小さいほうにはリハビリ中を含めた小鳥類を入れてあります。7月から8月にかけて、メジロ・ホオジロ・コマドリ・スズメと小さい小鳥たちが次々に姿を消す事件が。切れた網目から逃げたものもいるのですが、ホオジロ1羽の片足なし死体というのはネズミの仕業らしく、はりの上にネズミの糞やホオジロについていたプラスチックの足環が見つかりました。
小さいすきまをこまめにふさいだ後、とうとう小さな青大将を現行犯逮捕。頭など、人の指くらいの大きさしかないし、胴体もちょっと無理をすれば網目をくぐって入れるくらい。それでも、おなかがぽってりふくらんでいます。バケツにとじこめたところ、呑み込んでいたホオジロを吐き出しました。いまさら吐いても遅いんだから、ちゃんとおなかにおさめて消化すればよいのに、とみなでぶつぶつ。入って鳥を呑むところまではよかったものの、隙間がふさがれて、出ることができなくなったというわけでしょう。
小蛇逮捕監禁・半月後釈放の後は、幸いに仮設室の行方不明事故はなくなっています。それでも、ハッカンが同居のチョウゲンボウに暴行とか、目が届きにくい分、トラブルはやまず。
丸浜川の餌場には、いよいよタヌキが出没するようになりました。7月23日に保護区でスタッフによる初めてのタヌキ目撃があってからというもの、翌週には親子(子狸2頭連れ)が見られたり、足跡や他の場所での目視例。
水路の網小屋に収容していた水鳥類のうち、8月14日にウミネコ2羽が死んでおり、これは体を強く締めつけられた痕跡とのことで、大型蛇(たぶん大きいアオダイショウ)が犯人だったらしいのですが、10日にはダイサギの惨殺死体。その前にも、捨てられてしっかり生き延びていたウコッケイほかの鶏が次々に姿を消していました。やり口がどうもタヌキらしい、と言い合っている間に、餌場に何やらあやしげな大穴が。そしてとうとう、9月7日午前5時、ご近所の原島克己さんが、餌場のタライのところで2頭を目撃。ついに、ここまで来たか。
暑い暑い夏の日々、注意力散漫ゆえの事故死も相次いだ野鳥病院です。捕食者への厳重注意も必要になってきました。うーん、日々是勉強(苦戦?)かなあ。
みるからに鳥「獣」保護区らしくなってきた鳥の国でした。