野鳥病院では 2004年6月
鳥の国から すずがも通信146号 2994年6月号掲載
野鳥病院では
「セイタカシギ、どうやら繁殖しそう」 実は、先週の原稿締切(5月8日)の段階では、このひとことを書くことができませんでした。ちらほらと姿を見せてくれたものの、どうなるのやら、さっぱりわからず。今週は、繁殖希望は間違いなし、でもうまく行くのかどうか、というところにこぎつけました。とりあえず、私たちがやっていることそのものは間違いではないんだよね、と鳥たちの回答をもらったところ。
恒例の野鳥病院の入院ラッシュは、これまた微妙に、まだかな、というところ。カルガモヒナ7羽組の来所が5月4日。幸いにたいへん順調で、保温箱での飼育は1週間ちょっとで卒業し、目下中部屋でお目見えしています。7羽がひとかたまりになっていると、大き目のお皿にぴったり収まるくらいのサイズ。まだまだ愛くるしい姿です。「かわいいわねえ」と大好評なのですが、世話したことがあるスタッフは口をそろえて「今はねえ」というリアクション。カルガモは気性が荒くて、意地悪で、やることがダイナミックで、それなりにやっかいな連中です。それでも今はたしかにかわいい。わずか30グラムそこそこで入所し、2か月で800グラム近くまで育つ様子というのは、それだけでも胸が躍るような経験です。目下、入所後10日でたぶん体重が4~5倍になったところ。そうだなあ、たくましいばかりでなく、やさしい子に育ってほしい、と言いたいのだけど、野生生物なのだから、ひたすらたくましく育つだけでいいんだよね。
ぼちぼち持ち込まれているスズメのヒナは目下まだ8羽。死んだ1羽と調子が悪い1羽をのぞき、6羽は元気です。1日の入院数も2~3羽で、ラッシュはまだまだこれからだろうな、というところ。このくらいのペースが続いてくれるなら、仕事はそんなにきつくないかなあ。