おんぶがえるのお邪魔 2004年4月
鳥の国から すずがも通信145号 2004年4月号掲載
おんぶがえるのお邪魔
2月26日夜、餌場に下りると、いるいる、おんぶがえるがいっぱい。ところが、ほとんどは丸浜川に浮かんでいて、肝心の池の方には入っていません。丸浜川には若干ですが塩分があるので、卵がかえったためしがありません。そこで、手の届くところの抱接ペアを片っ端から捕まえて、少なくとも15組と単独のを3,4匹、池に放り込みました。どれもとても迷惑そうでした。後で見たところでは、産みつけられた卵はせいぜい4,5組分。他のは池への移動を嫌ってまた出て行ってしまったのでしょう。それでも、今年は餌場の池でちろちろ泳ぐオタマが見られるはず。めでたし、めでたし。
例年は11月~3月のセグロカモメの時期に限って大量に必要となる魚のアラですが、餌場に放飼している鳥が増えるにつれて、年間を通じてかなりの量が必要になってきました。15羽以上もいるカワウをはじめ、大型カモメ類も数羽。放飼の鳥にやるだけでも1日6~7㎏くらい。夜だけ来ているゴイサギなどを加えると、日に8㎏、週に50~60㎏はどうしても必要。カモメの時期になると、少なくともこの倍量。数年前は、いただいていたアナゴのアラが余って、堆肥用に回したこともありますが、今はそれどころじゃない。
幸い、浦安魚市場のアラをいただくようになったので、昔のように夜中に魚屋さんのバケツから運んでくる必要はありません。仕事は楽になっているのかな。
1日4回分、水路にやる魚アラを袋詰めにして冷凍する時に、そろそろカモメが減るはずだから、袋に入れる量を少な目にして、と言えるようになりました。冬から春への切り替え時です。いただいてくる魚アラの魚種にも季節感が少々。
治療室をわがもの顔にしているきれいなコバルトブルーの肩乗りセキセイインコ、仮設禽舎にのさばっている美麗にして凶暴なハッカン、もともと小柄なのがハッカンのせいかいっそう小さく見えるハヤブサ、中部屋に8羽8種収容のカモ類、4種30羽近く収容の鳩類と、野鳥病院は通常どおり。
春たけなわになるころには、鳥インフルエンザ騒動と、恒例の報告書提出騒ぎが終息していますように。
いつもと変わりない?鳥の国でした。