表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/36

新釈「龍の形見」12

塚原卜然は、牛丼屋で仕事に向かう瑛太社長と別れると、新宿へ向かった。そして、地下街を通って都庁前にやってきた。


しかし、そこには、誰もいなかった。


幽霊の月陰熊五郎は、塚原卜然の枕元に立ち、堀米泰成ヤスが闘いの場をセットしてくれることになっていると、言っていた。


しかし、堀米泰成ヤスの姿はなかった。堀米泰成ヤスは、やってくるのが遅れているのだろうか。


塚原卜然は、堀米泰成ヤスが、すでに到着しているのではないかと思い、心当たりのある場所をあちこち見て回った。


結局、塚原卜然は、堀米泰成ヤスに結局あうことはできなかった。


塚原卜然は、幽霊の月陰熊五郎の言葉をあてにしたのは、我ながら間抜けなことだったと思った。


それでも塚原卜然が、堀米泰成ヤスを探し回ってみる。


すると塚原卜然の行く手に月陰熊五郎が姿を現した。


塚原卜然の思いも寄らぬことであった。


塚原卜然は、幽霊の月陰熊五郎に言った。


「月陰熊五郎よ、俺たちの闘いのために、『龍の形見』を手配すると、堀米泰成ヤスが約束してくれた。そうあなたは言っていた」


「しかし、堀米泰成ヤスは、約束の時間になっても姿を現さない。こうなれば、俺たちは『龍の形見』なしに闘いを始めるしか道はない」


すると、月陰熊五郎は、塚原卜然に見るようにとある方向に腕を広げ何かを指差した。


塚原卜然は、月陰熊五郎が指さす方向に、屈強な男たちに守られるように、『龍の形見』がセットされていた。


『龍の形見』を見た塚原卜然の心に、二十年前の闘いの日々がよみがえってきた。


塚原卜然が、『龍の形見』のほうにあるいていくと急に景色が変わった。


塚原卜然と、月陰熊五郎は巨大な闘技場の中にいた。


塚原卜然と月陰熊五郎の前には扉がある。


塚原卜然は、扉を開くと中に入っていった。月陰熊五郎がそれに続いた。


扉の向こうにあったのは、懐かしい闘技場のリングだった。


しかし、塚原卜然のうしろの月陰熊五郎は、塚原卜然に声をかけた。


「俺は、もうじきあの世に帰らんといけん。五億円ポッキリの金じゃ、薬の効きにも限界があるみたいや。あの世に行く前に、言いたいことがあるんよ」


「ひとつは、お前に預けとったと勘違いしとった五億円ことや。会社まで出向いていっておまえの息子の塚原瑛太さんその金を返すよう言った。塚原瑛太さんは、えらい心配したやろうな」


「ワシはその金、何に使うたかやっと思い出したわ」


「リンダのために、キャバクラ『スマイル』を開いてやったんや。それでも、あの店、えらい赤字を出しよったんや。あれで、そうとう、カネ持って行かれたわ」


「残りは、わけのわからんの廃品回収業者の車の電飾に出してしもうたわ。その廃品業者の乗っとる車の電飾も見事なもんになったよ。ワシは気にいったんよ。そして、残りのカネはそいつに、きまえよう、全部、持って行ってくれるよう言ったんよ」


「もうひとつ、言いたいことは、堀米泰成ヤスのことや」


「俺は、今堀米泰成ヤスのことが心配でならないんよ」


「というのも、俺は生き返ることが出来たとき、まず、堀米泰成ヤスのところに出かけていったよ」


「その時、堀米泰成ヤスは、俺に、『龍の形見』が売りに出されていると教えてくれた」


「あの日堀米泰成ヤスは、新聞の三行広告の切り抜きを示してくれたんや。俺は、堀米泰成ヤスの話に乗ったんや」


「そして、リンダにその『龍の形見』の資金五億円を工面してもらうようにいったんよ」


「『龍の形見』の入手の旅に出た堀米泰成ヤスはすぐに行方不明になった」


「俺は、堀米泰成ヤスの身に何かが起こったことを確信したんよ」


「そこで、俺は、お前、つまり『平安クリーンスタッフ』の先代社長、塚原卜然に相談したんよ」


「お前は、バンドマン ツヨシという男に命じて堀米泰成ヤスの様子を調べに行かせたんよ。しかし、その後バンドマン ツヨシという男からは、何も情報が入ってこないのか? 俺は、心配でたまらない」


塚原卜然は、堀米泰成ヤスのことを調べるように派遣したバンドマン ツヨシのことをすっかり忘れていた。


最後に、月陰熊五郎は、先代社長、塚原卜然に、闘えなかったことをわびたのだが、それだけ言い終えると、月陰熊五郎は、影が薄くなり、ついには消えてしまった。


月影熊五郎が用意したスノードーム、『龍の形見』は、直ぐにダメになるまがい物


↑↑


この直しは不要

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ