そして、、、僕の記憶と脳は誰のモノ!?
僕の名前は 『兼川 貢史』33歳、ごく普通のサラリーマン。
1年前から付き合っている彼女もいる。
彼女の名前は 『ふみ』22歳でお洒落なカフェの店員さん。
僕とふみとの出会いは、、、?
僕がたまたま仕事先で寄った、カフェにふみが注文を取りに来てくれて
僕がふみを見た瞬間に【一目惚れ】したところからはじまる、、、!
僕はそこから、ふみに猛アタックをしてLINEを教えてもらい毎日ふみに
メッセージを送り、会える時は僕からカフェに行って、、、。
そんな事を半年もした結果、ふみと僕は付き合う事が出来たんだ、、、!
【僕は、なんて! 幸せなんだ~!!!】と思っていたのに、、、!
・・・そんな僕の脳に異変が起きる、、、!?
▽
朝起きると、、、?
何をしていいのか、、、? 分からなくなってしまった、、、!?
それは、数分後には元の状態に戻る事が出来たのだけど、、、?
ここからどんどん【忘れること】が増えたんだ、、、!
朝起きるところから、毎日何をしていたのか、、、?
洗面所にいても、何から手を付けていいのか、、、?
鏡の前で、、、ボーっと立っているだけ、、、。
【ここから、何をするんだ、、、?】
僕の頭の中では、パニック状態になっているのに、、、!
1分経っても、2分経っても元に戻らない、、、!?
やっと、3分後に何を毎日していたのかを思い出す。
それが、どんどんあちこちに広がっていくみたいで、、、。
駅に着いても、定期を何処に入れたか分からないところから!
見つけても、この定期の使い方が分からない!
挨拶してきた人の顔を思い出せない!
名前も忘れている!
そんな僕を、ふみもおかしいと思っていたみたいで、、、。
『ねえ貢史? 最近、なんだかおかしいよ!』
『えぇ!?』
『忘れっぽくなった、、、!?』
『・・・ううん、』
『1度、一緒に病院で診てもらおうか、、、?』
『・・・・・・』
『やっぱり、嫌だよねぇ~!』
『い.いや! 一緒に行くよ!』
『うん!』
▼
そして次の日、僕とふみは一緒に病院にいた、、、!
『先生! 僕の病気は、、、?』
『アルツハイマー病ですね!』
『えぇ!? アルツハイマーですか、、、?』
『はい!』
『じゃ、僕はこれからどうなっていくんですか、、、?』
『新しい記憶からどんどん忘れていくでしょ! 治す薬はありません!
進行を遅らせる薬がありますので、後で出しておきますね!』
『先生! どうにか何りませんか、、、!?』
『うーん、あるにはあるんですが、、、まだ実験段階でして、、、!』
『可能性があるなら、僕は何だってやります!!!』
『兼川さん、』
『よろしくお願いします!』
『・・・・・・少し考えさせてください!』
『分かりました! いいお返事待ってますから先生、、、!!!』
『・・・・・・』
▽
僕は必死だった! 僕の記憶はどんどん失われていく。
ふみとの楽しい記憶も全部、、、。
そう考えただけで、どうにか? 僕の記憶をなくしたくないと強く想う
ようになった、、、!!!
『・・・ふみ、ごめんな、』
『どうして、貢史が謝るのよ~!』
『・・・だって、』
『だって? 何よ~』
『僕は、ふみの事を忘れたくないんだ!!!』
『・・・貢史、』
『だから、どんな事があっても僕はこのふみとの記憶を忘れないから!』
『貢史! 私も貢史に私たちの記憶を忘れて欲しくないよ!』
『うん!』
『・・・でも、それで貢史に何かあったら、、、?』
『心配し過ぎだよ~僕は大丈夫だから、ふみ!』
『ううん。』
*
その間、僕の脳の進行はどんどん進んで行った...。
・・・そして1週間後、、、。
やっと、先生から僕に連絡が入る!
『兼川さんですか? わたくし○○病院の神崎と申します!』
『先生! やっと決めてくれたんですか、、、?』
『はい! ただ兼川さん、覚悟をしておいてください!』
『えぇ!? ・・・はい!』
『では、明日にでも病院に来てもらえますか、、、?』
『分かりました!』
『それと、誰にも言わないで1人で来てください! いいですね!』
『ははい!』
▼
僕は次の日の朝、病院に1人で行った。
『兼川さん! お待ちしていましたよ!』
『・・・はい、』
『じゃ~今から一緒に来てください!』
『えぇ!?』
先生は、そう言うと、、、?
僕を連れて、先生の車で何処かに向かっている、、、!
『先生、何処へ行くんですか、、、?』
『行けばわかりますよ!』
『・・・・・・』
先生は、車で高速道路を2時間ほど走った人気のないところに
ある別荘に車を止めた、、、!
『・・・ここは?』
『私の【秘密の研究所】といったところです!』
『・・・“秘密の研究所?”』
『中に入れば、兼川さんもわかりますよ!』
『ははい。』
そして、別荘の中に入ると、、、?
まるで、実験室の中にいるような感じだった、、、!?
『先生、ここで! 僕に何をするんですか?』
『兼川さん、こちらですよ!』
『えぇ!?』
そこには、、、?
小さな瓶に入った! 【いろんな形の脳】が置いてあった、、、!
『これって?』
『そうです! 兼川さんの脳と取り替えるんですよ~!』
『えぇ!? 嘘ですよね、、、?』
『本当です! 既に兼川さんと相性の良い脳は用意してあります!
早速、始めましょう!!!』
『ちょっと待ってください! まだ、心の準備が、、、!?』
『時間がありません! 早く!!!』
『わ.分かりました、』
『では、そこに横になってください!!!』
『は.はい!』
先生はそう言うと、、、?
僕の鼻に麻酔のかかったマスクを付けた。
僕はものの10秒ほどで眠ってしまった、、、!
・・・次に僕が目を覚ました時には、病院のベットの上だった。
そこには、ふみが僕の手を握ってくれて僕が目を覚ますのを待ってて
くれていた。
『・・・ふ.ふみ、』
『貢史! 良かった目を覚ましてくれて、、、先生に電話で呼ばれて
ここに来たのよ!』
『・・・そう、』
そこに先生が入って来た、、、!
『兼川さん! もう大丈夫ですよ! 貴方のアルツハイマーは治り
ました! もう大丈夫です、、、!!!』
『先生! ありがとうございます!』
『もう、退院してもらっても構いませんよ! お大事に!!!』
『ありがとうございます、先生!』
▽
僕は、こうして退院した。
先生が言ったように、僕のアルツハイマーは治ったようだ、、、!
今までの僕の記憶は消えていない、、、!
物忘れもなくなり、日常生活にも支障がなくなった、、、!
今まで通り、僕はふみと仲良く居る事が出来ているが、、、!?
僕は一つだけ! どうしても気になる事がある、、、!!!
『僕の脳は誰のモノなのだろう? 僕は、この先も大丈夫なのか、、、?』
不安な日々を過ごしている。
・・・それに、あれっきりあの先生と会う事は出来なくなった、、、!
携帯も繋がらないし、何処に行ったのかも誰も知らない、、、!
もっと不思議に思ったのは、、、?
あの先生の存在自体を誰も知らなかった事だ、、、!!!
『・・・これって? どうなっているんだろう、、、?』
最後までお読みいただきありがとうございます。