此処は何処?
初連載です。よろしくお願いします。
気付けば草原に倒れていた。
ゆっくり身を起こす。
特に体に違和感は無い。だが、ここは何処だ?
周りを見渡してみる。
うん、見晴らしのいい草原だ。吹き抜ける風が心地よい。
そんな草原に呆然と座り込んでいる僕と…背後に同じく倒れている人間一人。
お前もか。っていうか身動き一つ無いんだけど、これ生きてるよな…?
注意して見ると微かに胸が上下してるから、生きてはいそう。
ほっとしつつ、肩を揺さぶる。
「大丈夫ですか?どうされましたー?」
お願いだから、起きて欲しい。
で、この状況を説明して頂きたい。
勝手な希望をいだきつつ、揺さぶり続けた。
「…ん…?」
やった、目を覚ましたようだ。
「意識はありますか?体は動かせますか?」
問うと、パシパシと長い睫毛を瞬きながら、 僕の手を借りながら身を起こした。
「…っ、貴方は…」
こちらを見てびっくりしたような顔をしている。
いや質問したいのはこっちです。
というか、こちらもびっくりした。
濃紺でサラサラの長い艶髪、小さな顔、サファイアを溶かしたような切れ長の瞳に、泣き黒子。
長身でやたら足長いし!何このモデル並みの美形。
あまりの美しさに思わず見惚れかけたけど、今はそれどころじゃなかった。
「えっ…ちょっと待って」
あれって狼なの?なんかやたら黒くて大きいし、心なしか一匹につき頭2個乗ってる気がするんだけど。
そんなのが数十匹。
気付けば周りを取り込まれていた。
なんで皆さんこちらをもの欲しそうに見てるんですかね…
ジリジリ距離詰めてきてらっしゃるし…
もしかしなくても、僕達狙われてますか?
「ええええ…こっち来んな…僕は餌じゃないぞ…」
ガクブル。
鋭い爪に頭二つ分の牙。
自分よりふた周りは大きなガタイの狼もどき×数十匹。
対してなんの武装もしてない人間二人。
こんなの勝てっこない。
周り囲まれてるし、ここが何処かさえわかってないし逃げようもない。
駄目だ、詰んだ。
初連載です。楽しんで書いていきたいです(^-^)