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普通な高校生に神が憑いていた。  作者: 耀偧(よーた)
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第四章 神高校生が入院した件

第四章 神高校生が入院した件


「君たちは選ばれたのだ。この私シャムシエルと。」

「月の女神ディアナに。」


 真っ白な空間に俺とその隣にいる利華、そして目の前に立つ炎を纏った男と月を形容して作られたであろう装飾が頂点に付いた杖を持つ着物姿の女性だけが立っていた。


「選ばれた…というには私たちはなにかする使命があるのですか?」


 利華が当然の疑問を二人の神にぶつける。


「はい、あなた方には本来ではこの世に出てきてはいけない存在…《ジン》とその棟梁、《魔神アンドラス》を沈めてほしいのです。」


 そこまで言われるとなぜか意識が遠退いていく。

 視界の端で利華も後ろに倒れる。


「ん…?」


 俺は久しぶりに目に入ってきた光を眩しく感じつつ瞼を持ち上げた。

 真っ白な天井、そして俺を囲むように掛けられたカーテン。


「病…院…?」


 俺はここへ来るまでの経緯を必死で探るがやはり思い当たる節がない…はずがない。そうだ、俺は平西佐久真との命がけの戦いの末、奴を退却させることに成功した。

 だが、それからの記憶がほとんどない。

 ―思い出せるのは利華に…

 そこまで思い出しただけで自分の頭をポカポカと殴りたくなる。今更ながらなんと恥ずかしいことを言っているのだと自分に腹が立ってくる。


「柊太…?」


 不意に左側から自分の名前を呼ばれ咄嗟に振り向く。

 そこには目を丸くした利華の姿があった。


「利華…く、うぅぅ…」


 なぜかとめどなく涙が溢れ出てくる。その様子を呆れた表情で見た利華は笑いながら話し出す。


「もう、なんで柊太が泣くの?私の方が怖かったんだからね。」

「だって…利華が人質に捕られたの…俺のせい…だったから…」


 息をつめながら話す俺に利華は微笑みかける。

「ねえ、柊太。あのとき言ってくれた事ってホント?」

「あのときって…?

 なんとか涙を止めることに成功した俺は一応聞き返す。

「佐久真をブッ飛ばした後に言ってくれたやつだよ。」

「…うん。」


 照れてしまってたった一言しか言えない自分に情けなさを感じるが利華は気にせず話を続ける。


「私も好きだよ。」

「…は?」


 突然すぎる告白に俺は呆気にとられる。

「何回も言わせないでよ…好きなの!柊太のことが!」


 俺は目と口を丸くして二秒ほどその感動に浸った後…


「じゃあ、付き合おうぜ。」

「…うん。」

「…あれ?柊太?利華?目、覚めたのか?」


 キョトンとした顔でカーテンの隙間から顔を出した文字通りの《小》年、祐太だった。


「チョ、オマエ、イマ、ハナシ、キイタ!?」

 カタコトになりながら一応聞いてみる。


「は、何のことだよ?待ってろよ。今、先生呼んでくるから。あと、みんな心配してたんだからなぁ。お前二週間も寝たきりだったんだからな?」


 ―に、二週間!?

 と、先ほどまでの危機感を忘れつつ、大声で叫びそうになるが何とか抑えることに成功した。ベッドの横に設置されたテレビ台の上に置かれたデジタル時計は確かに俺たちが倒れてから二週間後の八月二十二日と表示されていた。

 そそくさと病室を出て行った祐太は白衣の三十代後半ぐらいの男を連れてきた。俺たちの処置をしてくれたドクター、八田永人先生との事だ。


「いやぁ、やっと目を覚ましてくれたか。良かった良かった。」


 メガネの奥の優しい光を帯びた眼を閉じてニコッと笑った大男は俺の手を大きなその両手でがっしりと握り、利華の手も握る。


「学校の方には今連絡しているから、今日中には友達と先生が来てくれるだろう。」


 八田先生が言った通り夕方は俺と利華、二人の病室のみ病室らしからぬ喧騒に包まれていた。

 メガネの奥に怪しい光を宿した細い眼の男がやってきたのはその翌日、十二時のことだったこんな真夏だというのにスーツをしっかりと着込み、ネクタイまで占めた防衛省のお偉いさんが来たのは…

 俺はふっと昨日のことを思い出しつつ、一人思っていた。


 シャムシエルとディアナに頼まれた通りにすれば世界中を救うための戦いが待ち受けているのだろう。その戦いの果てに在るのは、どこまでも続く闇か…はたまた平和の名の下にいつまでも煌めき続ける光か…

 神の力を得た二人の高校生はその未来を知る由もなくただ防衛省から派遣された男の話に聞きこむのであった…


To Be Continued…

 どうも、太陽神 耀偧です。ここで一応一区切りです。ここまで読んでくださりありがとうございました。ここからは作者である太陽神 耀偧のお話とこれからのお話になります。

 まず、皆様気になって(もしかしたら苛立って)らっしゃると思われる《耀偧》という漢字は《ヨウタ》とお読みください。そして今作ですが中学二年生である僕が夏休みの宿題として書いた小説をそのままネット小説にしたものでしたが…正直、どうでしたか?率直かつ厳しいお言葉を頂けると僕も勉強になります。

 さて、ここからはこの《普通な高校生に神が憑いていた。》の今後のお話です。

 実は、もう二巻(?)が約八割ほど完成しております。ですので来月中には二巻もまとめて投稿する予定です。今回の一巻を読んで、少しでも興味を持っていただけた方は二巻も読んでいただけると幸いです。

 少し長くなった作者のお喋りもここまでといたします。ではまた会えるその日まで…

                                By太陽神 耀偧

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