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屋根の上での連携

 梯子の上段、屋根に上り切る一つ手前で滋は三人の様子を静観する。組織に入りたいだの、向いてないだの、政治がどうしただの、との会話を耳にすると、自分が飛び出すのも何か場違いに思える。首を傾げながら、また梯子を降りる。


「何で降りてくるのよ?」


「何か、勧誘しているようですよ、うちらの組織に」


 弥生は顔を顰めて意味がわからない様子。滋は梯子を譲る。


「あんた、まさか本当は単に怖気づいただけじゃないわよね?」


 実のところその気持ちもなかったわけでもない。弥生も一度登って様子を窺って、下りてくる。


「どう思います? 僕らが出ていっていいものか、わからなくないですか?」


「いや、出るわよ」


「え? でも、どこに僕たちが割って入る隙があるっていうんですか?」


「何言ってるのよ、隙だらけじゃない。今が絶好のチャンスよ。誠司だって、別に勧誘をしているわけじゃないみたいなんだから。むしろ逆よ、逆。体よく断ろうとしているだけよ。でも、そういうところ下手だから何だか話がややこしくなっているだけよ、あれは」


「そんなものですか?」


「そんなものよ。さ。さっさと上がって」


 登らされる滋の後に弥生もついてくる。二人、窮屈に並んで窺って、


「いい、私が『今よ』って言ったら出るのよ。結界でくるんでしまえば、絶対に逃げられないはずだから」


「あの、一つだけ聞きたいんですけど。僕の結界って、球状にして相手を壁もないところで完全にくるんだら、くるまれた相手はどうなってしまうんですかね?」


「何よそれ。そんなの知らないわよ。私の技じゃないんだから。滋君、あんた試したことないの?」


「はい…」


 さて一方、桐生たちも弥生たちの動きに気付く。小声にて、


「何をやっているんだ、あいつらは…」


「彼女たちも頑張っているんだよ。さてどうする? 俺としても、もう逃げられるのは面倒だからね」


「そうだな。よし、第一弾は俺。その隙にお前が相手の背後をとって一撃。あそこで結界の準備をしている滋を使って、あいつの結界に放り込んで完了、だな。一撃が決まらなければ、相手を滋たちのほうに追い込んで、そこからは臨機応変にといったところだろう。もちろん確保が前提で、だけど」


「ふむ、了解だね」


 桐生は突然刀を抜いて腰低く構える。同時にヴァイスは屋上より飛び降りる。突然の行動に二階堂も目を見張る。


「いまよ!」


 と、これまた唐突に二階堂の背後から聞こえると、プラネタリウムの屋根に滋が躍り出る。ところが両手で結界を作ろうとしてもたつくと、好機も好機でなくなってしまう。それでも二階堂が滋へと振り返った瞬間を狙って桐生が飛び掛かる。水竜が己の意思で飛び出し反撃を仕掛けるも、


「おっと!」


 避けてしまう。避けた上に飛び出た水竜の胴体を得物で一刀両断する。水竜が甲高い悲鳴を上げ、水となってしまう。さらに、いつの間にか二階堂の頭上に跳び上がったヴァイスの姿もある。


「佐久間滋、キャッチ!」


 急降下して着地際に二階堂を蹴りつけると、真っ直ぐ滋の方へと飛ばしてみせる。見事桐生の作戦通り。


 しかし、


「あ!」


 滋の結界が間に合っていない。そのまま滋共々、梯子の方へと転がって行く。転がって、


「ウソ!」


 弥生も巻き込んで、三人、梯子から転げ落ちてしまう。



続きます

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