表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Happy Hand  作者: 紅龍
9/25

報告1 桑矢&小松原

「ただいま~」

「お…かええり」

「日本語変だぞ?」

「…まさかの彼女連れでの帰還!?」

 彼女?俺にそんなのいないの知ってるだろうが。

 周りを見回すと、俺以外のメンバーが口をあんぐりと開けていた。


「魔王!?」

 ショックから立ち直った六人にくーの正体を教えた。

「はい、魔王です。勇者様」

「魔王に勇者って言われるのは違和感が…。そして、なんで俺たちが勇者なんだ?」

「長くなるから、まずはそっちから話してくれ」

 勇者の話とかマジで長くなるから、先に情報が欲しい。

 過激派のメンバーがどう出てくるのかが心配だ。この先、邪魔になるようだったら排除しなければならない。

「桑矢たちから聞こうと思う」

「了解した学園の周りには特に変なものはいなかった。だから、周りの生徒に話を聞いてみた」

 なるほどな。周りに何もないならその辺にいる人間に聞いた方が早いよな。

「簡単にまとめると、駐輪場や校門前にいた生徒たちは、跡形もなく消えているとのこと」

「ただし、下駄箱にいた生徒は消えていなかった。颯、あれを出した方がいいと思う」

「わーってるよ」

 あれ?下駄箱の話をしていたんじゃなかったのか。

「これが、落ちてきたんだと」

「…首?」

 人間とは思えない生首。俺たちが、吐き気をこらえているとくーが、

「影鬼」

 とつぶやいた。…って影鬼?

「なんだそれ」

「魔人族ではない魔物。私たちの敵でもあるの」

 なるほどな。敵か…でも、なんで生首だけが落ちてきたんだろうか。

「続けるぞ。下駄箱にいた生徒はこれを見てパニックになり、外に出て行ってしまた。他の生徒があたりを確認したが、見つからなかった」

「…しかし、神のアナウンスが流れた時には校内にいたというんだ。でも、誰も校内に入った彼らを見ていないというんだ」

 見ていない?他の生徒たちが探していたのに?

「しかも、スキル習得後に再び姿が見えないという」

「幽霊にあったんじゃないか?とか、みんなは言っていた」

 幽霊か。だが、幽霊ならスキル習得の時に姿を現したのは何故なんだ?

「それと、感づいていると思うが先生が誰一人として見当たらない」

「…やはりそうか」

「でも、直前まで先生と話していた生徒がいてね」

 …ちょっと待て、目の前にいた先生が消えたとか言うんじゃないだろうな?

「水海が考えてることは違うぞ」

「消えたんじゃないなら?」

 くーが俺の袖をクイクイと引っ張ってきた。

「たく。おそらく、魔物のせいだと思う」

 子供みたいに袖を引っ張るな。

 可愛かったので、頭を撫でてあげた。

「…続けていいのか?」

「すまん。続けてくれ」

 やばいやばい。まったく、くーの行動は恐ろしいな。

「そう。真っ黒い影が先生の体に巻きついて、地面の中に吸い込まれていったと」

 ……どういうことだ?目の前にいる生徒をほっておいて、先生を優先するってどういうことだ?

 大人が…先生を連れて行く理由とはなんだ?

「さすがに私もそんな能力は見たことない。魔人と魔物のハーフだった可能かもしれないけど」

 魔人と魔物のハーフならそんな特殊な能力が発生してもおかしくないとことか。

「分かった。ハーフはなんて言うんだ?」

「そのまんま、魔獣っていうの」

 魔獣…か。そうすると、魔物を従えるスキルとかがあると便利だが、無いものをねだっても仕方ないな。

「しばらくは、魔獣と魔物の動きを警戒しながらの探索になりそうだな」

「これで、俺と小松の報告は全部だ」

 全く、初日だというのに随分と迷惑な現象が起こっているな。

 校舎周辺の情報は、もう集めなくていいだろうな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ