探索2 伊豆&石切
俺、伊豆勇毅と石切はのんびりと散歩をしている。
実際は散歩ではなく、能力の確認という仕事がある。
「なんで二人でなんだろうな」
「分からん」
俺と石切の能力は相談したわけではないのだが、共通が全く一緒ってのもあるのだろう。
剣術と魔法。これが、俺と石切の取った共通スキルだ。
石切の魔法は、土属性。俺は、火。なかなか、面白い組み合わせになっている。
「ズイの威圧って便利だな」
「そうか?影隠の方が便利じゃね?」
「場所によって使えないじゃん」
確かにそうだが、使い方によっては無敵じゃね?
「ムトーと早河はいいよな~。校内探索で」
「まっ、適材適所だ」
何が出てくるんだろうな。
しばらく歩いてくと前方に、大型の犬らしきものがいた。
「あれって、犬だよな?」
「…食われてね?うちらの生徒」
……見間違いじゃなければ、うちの制服だろう。
「剣ないよ?」
「体育館から、竹刀借りてくれば良かったな」
今更後悔しても遅い。
「魔法のみで戦うしかないだろ」
「はいよ!」
さて、死なない程度に戦ってみますか。
「火矢」
頭の中に浮かんでくるものを言葉にしてみたら、目の前の犬に向かって火の矢が飛んで行った。
「なるほどね。こういった感じで使うのか」
石切は、影隠で気配を消して犬の後ろに回り込もうとしている。
「…まじかよ」
思わず、声に出してしまった。
犬に当たった火矢は盛大に爆発してしまい、跡形もなく消し飛んでしまった。
「やりすぎじゃね?」
「…オーバーキルだな。戻って報告するか?」
「その方がいいかもしれない。校内でぶっ放す奴がいるかもしれないしな」
携帯って手もあるのだが、なにぶん異世界なもので、安全と言われても安心できないものところもある。
俺たちは急いで、幸樹学園に向かって走り出した。