初日終了
報告会が終わって、夕食時。
「メールが本当なら、大変なことになってんじゃないか?」
「本当だよ。くーが予言通りなら過激派に襲われているときに伊豆たちが、助けに来てくれるって言ってたじゃん」
「確かにな。でも、俺たちの予言を知っている巫女が何処かにいるんだろ?」
「どこかにな。くーには分からないって」
「そうか」
図書室で飯を食べるって、本来ならいけないような気もする。
「そういえば、くーの世界には魔人しかいないのか?」
「もくもく。…龍神族、獣人族、人間族、妖精族、魔人族、エルフ、天使族かな」
「天使がいるなら悪魔は?」
「魔人の分類にはいるかな~」
なるほどな。七つの種族…ん?
「勇者と同じ数」
「うん。七人の勇者はどれか一つの種族の加護を得ているって聞いたよ?」
ふむ、どれか一つの加護を得ているのか。
にしても、よく食べるな。その体のどこに三人前の食事が入ってんだ?
もしや、その栄養はすべて胸にいってんじゃないだろうな?
「さて、俺たちは行動を始めるから」
「頼んだ。一応、俺とくーが起きてるからなにか問題が起きたらメールをくれ」
「分かってるよ~」
俺とくー、行動を開始する石切と早河以外の三人には寝てもらった。魔法を使う人間は寝不足は駄目らしい。くーがそう言っていた。
さて、起きてる間何してようかな。
「ごろごろ」
…だからお前は猫なのか?
しゃーない。図書室のPCで何か調べられないか見てみよう。本当は、PC室で確認したかったんだが、付けられているんじゃ諦めるしかないだろうなぁ。
「これなぁに?」
「パソコン。いろいろな情報が載ってる」
「すごいね~。こっちの人間の文字って分かりずらいのよね~」
そうかな?英語とかより簡単だし。…異世界の住民に言っても分からないけどな。
「…(・□・)」
固まってる。
なでなで。サラサラでさわり心地いいな。
「むぅ。たくの意地悪」
そう言いながら俺の膝の上に頭を乗せるでない。…魔王って甘えん坊が多いのか?
「すぅすぅ」
……寝てるし。しゃーない、布団に運ぶか。
くーを布団に入れて、俺はベランダに出る。
「いつものつまらない日常が、ひょんなことに非日常になってしまった」
明日から俺たちは何と戦っていくのだろうか。…それを知っているのは七人の巫女と神様だけ。
今のところ、石切たちからのメールは無い。このまま、問題なく調査を終えてほしい。…綛里と連絡がつかなくなったな。生きているといいな。