マイハウス_リボンとの出会い
あと、私を担当してくれた看護士さんにもあいさつしに行こう。
あれー。どこかな.
あっ。いたいた。
「先生。」
「あら。奈々ちゃん。今日は退院ね。」
「うん。先生のおかげだよ。」
「ははっ。奈々ちゃんったら。」
「えへへ。それじゃ、そろそろ行くね。」
「うん。元気でね。ばいばい。」
「ありがとう。ばいばい。」
先生と私は大きく手を振った。
先生が見えなくなると向きを変えて部屋に戻った。
母が声をかけてきた。
「いたー。奈々どこ行ってたのよ。」
「ごめんね。お世話になった人にあいさつしてきた。」
「あら、えらいわね。準備はできた?」
「うん。」
少しだけ母に荷物を持ってもらい、出口まで歩いた。
パチパチ・・
病院の先生達が温かい拍手をしてくれた。声もかけてくれた。
「退院おめでとう。「元気でね。」「さようなら。」
私は笑顔で手を振った。母と姉も「お世話になりました。」と言いながら笑顔で頭をさげていた。
もう一度大きく手を振り車に向かった。
母は運転席に乗り姉が私のためにドアを開けてくれた。
出発してから少したち、窓の外を見た。
「あ..。」
「どうしたの?奈々」
「大丈夫。気にしないでお姉ちゃん。」
あの公園、懐かしい感じがした。
走る車から景色を見ていると、家に着いた。
車から降り家に入った。
「ワン!」
突然犬が出てきたのでびっくりした。
すると、姉が紹介してくれた。
「この子はうちのペットのリボン。よろしく。」
「そうなんだ。」
かわいい。仲良くなれるかな?
私はあいさつするようにリボンの頭をなでた。
ふわふわだ。まるでぬいぐるみ。でも、なにかがこの子に感じる。なんだろう。
不思議に思いながら私は廊下を歩いた。
リビング、けっこうきれい。
大きな窓の隣には黄色いカーテンが結んであり....
「ワン!」
「あ、リボン。」
初めてにしては人懐っこいな。ん。違う違う。私は初めて?だけどリボンは私の事を知っているのかもね・・
姉が話しかけてきた。
「奈々の部屋を案内するわ。」
「うん。ありがとう。」
姉が私の部屋があると言うので案内してもらった。
階段をのぼり、右に曲がると私の部屋があった。
「ここが奈々の部屋。好きに使ってね。」
「うん。ありがとう。」
姉はニコッと笑うと階段を降りて行った。
足音が消えた。