表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/17

7.メイヨウと種明かしの始まり

7.メイヨウと種明かしの始まり


「いってぇ!頭が、ガンガンする」

気がつくと、部屋に寝かされていた。逃げたくても呪力も上手く練れない。


「何か変な爺さんに絡まれるし!」

そもそも何故自分が倒れたのか分からないのだ。


部屋を見渡すと品のよい調度品にはどれも、黒龍の紋章が入っている。


寝室は大きな寝台がある以外は小物入れや化粧台が置かれた控えの間につづいている。身じろぐと奥から若い男の声が聞こえた


「気がついたかい」メイヨウは身構えた。


その佇まいは龍界の権力者だ。

生まれながらの育ちの良さと威厳。

二対の小さな角を持つ白皙の美貌の人物が近づいてきた。


「寝台を、お借りして申し訳ありません。

帰らせてください。」

メイヨウは、早くココを去りたかった。

差別のきつい龍界の権力者には関わらないのが安全だと身を持ってしっているからだ。



「身構えないで。私は黒百合の知り合いだよ。さっき、君を出迎えたのは私の祖父。私は飛龍。字はこうかくよ」


長い黒髪をあや紐で結えた美しい青年がメイヨウの手のひらに指で飛と文字を書く。


「君の名前は?」

青年が手を差し出す。

メイヨウが恐るおそる青年の手の平に没有と名前を書く。瞬間、心臓が鷲掴みにされたような強さを感じる。


「アンタ、何したんだよ!!」

メイヨウは新台から飛び降りて身構える。


「ちょっとした、御呪いだよ。メイヨウや、先程は失礼した。知り合いの吸血鬼に似た呪力を感じたのでね」

仕立ての良い服を着た老人が茶器を持ってやって来る。玄関であった老人だ。


「吸血鬼?」

(頭がもやもや、する。俺は椋鳥を知っている気がする…)

メイヨウは、頭をかかえた。


「龍族って吸血鬼と仲が悪かったんじゃ無いのか」

メイヨウが四島の常識を口にする。


「今はそうじゃな。昔は仲がよかった。

それより、黒百合から本を預かっていないかい?」

「預かっている」

メイヨウは懐から本をだし、老人に渡した。


すると老人はその本に何やら詠唱すると、本は白い鷹になって窓から外に出ていく。


「メイヨウや今日まで良く生き抜いた。お前は白玉との賭けに勝った。さて、茶菓子が食べたいのう。飛竜や用意しておくれ」

「はい、師父」

メイヨウは成り行きを見守るしかない。白玉との賭けとは一体なんなのだろうか。


「では、メイヨウや種あかしをしようか。長い話しじゃぞ」

老人は黒蚩尤こくしゆうと名乗った。メイヨウは後ずさる、それは現在の龍王、黒龍雅鱗こくりゅうがりんの前の龍王の名前だ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ