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14.メイヨウを助けるには、権力者の助言か?それとも?

「黒百合、あなたの高潔な精神に龍界を代表して感謝の意を述べます。」


飛龍が黒百合に深く頭をたれる。


「御礼を申し上げるのはこちらです。囲碁大会の後、黒蚩尤こくしゆう様の計らいで白玉様の館で働かせていただき、食客である私を不遇な扱いにあわないように立ち回ってくださいました。」


黒百合は飛龍に対して平身低頭になる。


「黒百合は飛龍の妹君である、アンジェリカ様とエリカ様の身代わりですから、下手に扱うと戦争が起きます。黒蚩尤様の行いは妥当な行動です。しかし、メイヨウの風あたりは一時的に弱まった物の、また再熱してますね」

白玉が面倒くさそうに呟く。


「なぜ保護しないのだ白玉。それが一番はやい」

飛龍は白玉に体をむけるが、白玉はわざとらしく体を背ける。


「メイヨウは、黒蚩尤様のご友人、吸血鬼椋鳥の養い子。

私の妻の命よりも、娘への愛情よりも、黒蚩尤様のお声がけ一つで虫けら風情の人間が大切と王族に認められるのは嫌ですね。


黒龍雅鱗の横暴で四島の民がどれ程、傷ついたかご存知でしょう。黒龍雅鱗と白龍八潮は縁故主義を撤廃しようとして、四種の龍の純潔の婚姻から混血の婚姻を奨励し、半龍を増やしても血筋を重んじてる縁故主義は根深くある。差別された人間がさらに、差別する心根を変えるのが先かと。

まっ、妥協策を出してあげてもいいですよ」


意地悪く白玉は笑う。


「白玉よ提案を聞こう」

黒蚩尤が白玉に先を促す。


「黒蚩尤様は私と賭けをします。これから一年、メイヨウがこの四島で生き抜いたら、彼を黒蚩尤様に保護させましょう。死んだら、私が罪を被りましょう」


白玉は、飛龍に向きなおり


「私はね。黒百合の高潔な精神は良いと思います。人間が龍よりも優秀であるのを証明する為に命がけに努力しました。

奴隷上がりの高級娼婦の株は上がりましたね。一重に彼女の努力の賜物です。

それを、四島の民がやるのです。差別とは違う形で。一人の命を天秤にかけて、考えせるのです。

メイヨウが生きぬいたら、戦争は起こりません。メイヨウが死んだら吸血鬼椋鳥は武力介入をして龍界と鬼界は戦争になりますし、飛龍の親友であるこの私もメイヨウを保護をしなかった罪をかぶり、死にます。

飛龍、私をこむざむざと見殺しにできないでしょう?」


白玉の微笑みは、有無を言わさぬ圧がある。


「わかった。白玉の案にのる」飛龍が静かに答えると、白玉は満足気に頷いた。


「黒百合、あなたはどうします?」


「私にとってメイヨウは血の繋がらない弟です。彼が受ける差別は私にとっても同じです。私は差別と戦い、大衆による助力を希みます」

黒百合は真剣に返事をする。



「わかりました。黒蚩尤様はいかがいたしますか。貴方の命令一つでメイヨウの命は守られますが、この千年以上の歴史をもつ四島の縁故主義は変わりません。つまる所、身分制度の改案と他種への排他主義への変革を政策する為のきっかけでございますね?」

黒蚩尤は、白玉の言葉に深く頷く。


「確かに……今回の黒百合の一件で貴族から平民への態度は少し変わった。この流れを、四島の価値観への改革を和合に繋げねば、未来永劫にわたって龍界の平和はこない。また、雅鱗に隙を突かれぬようにしなければ」

黒蚩尤の決意に満ちた瞳に白玉は満足する。


「ねぇ、飛龍。私は貴方がいるからこの提案をできるのです。貴方への信頼の厚さを覚えておいてくださいね」


白玉が飛龍に優しく微笑む。


「白玉様、私は一番大変な役割を飛龍様にお与えしたくはありません。」黒百合が心配そうに呟く。


「大丈夫ですよ。黒百合。飛龍は私や白龍八潮に負けぬ程の策士です。それに、四島の民の未来を憂える心も強いのです」と、白玉は安心させるように黒百合に声をかける。


あの冷徹な白玉が柔らかく微笑んでいた。白玉と飛龍の関係を黒百合は羨ましいと心の隅で思うのだ。


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