2話 奴
「うう...ここは?」
わたしは病室のような所でベッドに寝かされていた。
顔だけの右に動かして見ると何やら良く分からない機械が置いてあった。
普通の病院にも置かれているものだが、生憎と彼女は入院するような怪我をしていなければ、医療ドラマを見ないので分からなかったのである。
そして今度は左に顔を動かす。
するとそこには同じベッドが6つ並べてられていた。
しかしそこには誰も眠っていなかった。
「どうゆうこと?」
直ぐに顔を右に動かすがそこにベッドは無く100メートルほど先に見える白色の壁だけである。
疑問1 なぜここで寝ているのか
疑問2 なぜ自分以外誰もいないのか
疑問3 なぜベッドが7つしかないのか
そんなことを考えながら起き上がる。
「何かがおかしい...自分なのに自分じゃない感覚...」
そういいながら両手を見る。何故か着ている病服は長袖だから手首までしか見えないが。
「...?」
おかしい...左手首から下が黒くなっている。
黒と言うよりも世界一黒いベンタブラックと言った方がいいかもしれない。
問題はそこじゃない。黒くなっているのをおかしいと思わなかったのがおかしいのだ。
まるで自分が最初からそうだった様に感じてしまうのだ。
その時に
「やあやあ、お目覚めかな?咲希くん」
ベッドが並んでいる自身から見て左側の壁にある扉から黒スーツ、黒革靴、黒ネクタイ、黒サングラスの逃○中のハンターに出てきそうな人がそんなことを言いながら入ってきた。
「誰?」
「そこまで警戒しなくてもいいんじゃないかな?」
「私の質問に答えて」
「仕方ないね...僕は君を作った人...とだけ言っておこうかな」
こいつは何を言っているんだ?私を作った?私を作ったのはパパとママだ。こんな奴ではない。
「何を言っているんだ?って顔だね。まあ見せてあげるよ」
そういいながら近づいてきて私に付いているコードやらチューブを外した。
「立てるよね?さっついてきて」
「待っ」
奴はそう言い部屋を出て行った。速い...
私は直ぐに起き上がりついて行った。
それにしても動くものなんだなぁ...
まあ書けた方