27話 それぞれの九日間 by咲希 ③
~七日目~
朝ご飯が和食だった。
原因は…確証はないけど響だね。食材があった方に驚いたけど…
普通に美味しかった。
「ついて行っていい?」
「え?良いけど…」
城を出る時、奏が私を捕まえて、そんなことを行ってきた。
断る理由も無いので了承する。
「どこか行きたい所とかある?」
「ここ…」
私が奏に聞いたときには既に地図を持って指差していた。
差されているのは城下町を出て、少し離れたところにある村だ。
「別にいいけど…何の用があるの?」
「…………言えない…」
「アッハイ」
間と言い方が隠し事をしている人の言い方だ。
まぁ深入りはしないけど。
城を出るときに私はローブ…マントを取り出し羽織る。
こうしないとめんどくさい事になるからね。
◇◇◇
現在、舞が行きたいと言った村に来ております。
「こちら、『ビックホーンのソーセージ食べ比べ』です。」
更に言うなら食堂に来ています。どうやら奏はここに用があるらしい。
さっき、店員と話して奥の部屋に行った。
私は現在、昼食中です。
ビックホーン…その名前の通り角の大きい動物だ。実物見たことがないから分からないけど、聞いた話から推測するに猪の様な動物だと思う。
「美味しい…」
三種類…ノーマル、チリ、チーズ、全てが地球産のソーセージよりも美味しかった。
「戻ったよ…」
「お帰り。」
手ぶらだよね…《無限収納》があるんだもの…
私は丁度食べ終わったところだ。
「他には何かある?」
「無い…」
「解ったわ。」
私は席から立ち上がり銀貨を十枚持って会計に行く。
因みに会計は銀貨五枚だったりする。
俗に言う『お釣りは要りません』だね。
◇◇◇
帰り道、正午を少し過ぎているがそこまで暑くないのでこの世界は今、春だろう。
「「…」」
行きもだったが、二人とも無言である。
(気まずい…)
「あのsッ!!」
私が話かけようとした時、私達の上空から矢が降り注いだ。
絶剣『乱舞』
『紺碧の剣』と『白夜』を瞬時にとり出し、技を放つ。
比較的最近に作った技だ。技の説明は…要らないね。そのままだし。
とにかく、降ってきた矢を全て切り裂いて落とした。
「大丈夫?」
「うん…」
「それにしても…どこからッ!!」
直ぐに奏を担いで飛びのいた。
さっきまで私達がいた所には全長二メートル程の大きな棍棒が打ち付けられていた。
打ち付けられた時に衝撃波が発生し私達は軽く吹き飛ばされた。
(ゴブリンキング…)
しっかりと着地し犯人に《解析・鑑定》を使う。
ゴブリンキング…群れの中で稀に生まれ、存在するだけでゴブリンの群れを強化し、最弱を凶悪に変えるだけの力を持つ魔物だ。しかもある程度の知性もある。あげくに体長三メートルときた。
通常のゴブリンの討伐ランクはFだが、ゴブリンキングのいる群れの討伐ランクは通常の最高のSだ。
この時点でどれだけヤバいかが分かるだろう。
(HP25000に防御力250か…一撃は厳しい…)
「ー゛ー゛ー゛」
「あっ!!と…」
奏の叫び声?のような物により集中が切れた。
周囲を見ると沢山のゴブリンが倒れていた。
「一つの事に集中し過ぎ…もっと周りを見て。」
「…ごめん」
ぐうの音も出なかった。
周囲に倒れている…あ!起き上がってゴブリンキングの方に戻っていった……ゴブリンは鉄装備だった。流石に一度に沢山の鉄による攻撃を食らったらひとたまりもない。
「…どうする?」
「狩るのが一番いいと思うけど…」
そんなこと話しているうちにゴブリン達はゆっくりと近づいて来ている。
警戒しているのか恐怖心を煽るためか…舌なめずりをしているから後者だね。
「同人誌系のお約束だけは嫌だね。援護は任せるよ!!」
「あっ!!ちょっと……まぁいっか。ーーー♪(ーーー♪)」
私は巧剣『桜花纏雷』で一気に切りかかり、奏は《想歌》と《脳歌》を使い、《剣の歌》と《鳥の唄》、《錆びた歌》を同時に歌い、私に攻撃力上昇と素早さ上昇のバフをかけ、ゴブリン達の攻撃力、防御力、素早さ低下のデバフをかける。
「動きやすいね…」
「ーーーーー♪(ーーーーー♪)」
雷を纏った桜の花びらが雑魚を感電させ、斬撃がキングの棍棒を真っ二つ切り裂いた。
そのまま『白夜』を地面に突き立てて巧剣『氷華』で完全に雑魚を殲滅してキングの動きを止める。『紺碧の剣』の鞘を取り出し納刀し、飛び上がり
巧剣『炎楼』
抜刀で逆袈裟斬り、納刀で首を切り落とす。
「ふう…ありがとう。」
「…別に。私は私の出来ることをしただけ。」
私が『紺碧の剣』と『白夜』を仕舞ってからお礼をいうと素っ気なく返された。
「どうする?これ…」
「放置、持って帰っても面倒くさくなるだけ…」
ということでゴブリン達は置いて帰りました。
~八日目~
「ねえ…」
「…」
「ねぇ…」
「…」
「ねえってば!!」
「…」
一応言っておこう、響の耳元で叫んでいるのだ。
これで反応無しですよ…
現在午後三時過ぎ、今夜のディナーのデザートの味見を午後一時から響に手伝わされているのだ。
午前?中庭で素振りをしていたよ。マナに邪魔って言われたけど…
さてと…
「聞いていますか?伊達メガネ。」
「ちゃんと度は入っているぞ。」
「やっと反応した……私、いつまでも付き合えばいいの?」
「君の胃袋が限界を迎えるまでに…」
「大分先じゃん…」
私の前にブルーベリーに似た何かのミニパイが置かれた。
「…頂きます。」
私は直ぐに口の中に入れた。
…色も見た目も食感もブルーベリーじゃないのに味がブルーベリーな件。
うん。美味しいね。変な感じがするけど。
「どうだ?」
「おいしいよ。」
「それだけか?」
「(コクコク)」
「はぁ…」
響が右手で頭を抑えながらため息をついた。
「その感想…何回目だ?」
「これで六個目だから…六回だね。…人選ミスだね。」
「まったく…どうするべきかな…」
「自分が一番いいと思ったので良いと思うよ。」
「そうだな。」
ドカァァァァァァン
爆発音と共に城が少し揺れた
「この轟音も何回目なんだろうな…」
「さぁ?」
私達は窓を開けて原因になっている所を見る。
「「うわぁ…」」
原因は中庭、色とりどりの魔法陣が展開さて爆発とかを起こしている。
マナと舞が訓練中なのだ。
「そう言えば明後日だね。のんびりしていて良いの?」
「それは君もだぞ。」
「戦る?」
「…止めておこう。その様子なら大丈夫だな。」
私が満面の笑みで殺気を全力で出したらあっさりと響は引いた。
「そう言えば。、何で今日は城に居るんだ?」
「別にいいでしょ…」
理由としては街そのものが殺気立っているからだ。
私が今街に行ったら大変なことになりそうだからでもある。
明後日だからね…
そんなことを考えていると、私の目の前にショートケーキが置かれた。
「これが最後だ。」
「…いつ作った?」
「君が考え事をしている間にだが?」
「…………速くない?」
「普通だろ。」
全然普通じゃない。十秒も掛かっていないのだ。
スポンジは焼きあがっていたから、後はクリームを塗って、イチゴを盛り付けるだけではあるが…
慣れたらいける?いや、無理だ。
考えるのをやめよう。
「頂きます。」
切り取って一口食べる。
「うん。今までの中で一番美味しい。」
「…もうこれでいっか。」
響の諦めての声が聞こえた。
「それじゃあ帰らせて貰うね。」
「あぁ。」
ショートケーキを完食し私はそう言って厨房を出た。
その後は中庭の端っこで素振りをしていた。
…魔法が飛んでこなくて良かった。
その日のデザートはショートケーキだった。…ウエディングサイズの。
なんか1000PVになってた。
次は過去回です。多分来週中には出ません。
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