25話 それぞれの九日間 by咲希 ➀
~一日目~
「おはよう…今何時?」
「同日の午後2時よ。」
「…他の皆は?」
部屋をグルっと見回すがマナ以外誰もいない。
「皆外に行ったわ。…お昼ご飯はそこよ。」
マナは机を指さす。
机の上にはサンドイッチが四つ、どうやら朝に食べたものと同じようだ。
「(ハムハム)所で…(ハムハム)何の本を書いているの?(ハムハム)」
「食べるか喋るかどっちかにしなさい。」
マナはそういいながら筆の手を止める。
「貴方達の事についてよ。」
「私達の?」
「そう。全員色々と違うからね。」
「そうなんだ…(ハムハム)」
「というわけでステータスプレートを見せてもらえないかしら?」
「…?良いけど。」
私はステータスプレートを取り出して表示状態にしてマナに渡す。
「ありがとうね。」
ステータスプレートを受け取ったマナはまた本を書き始めた。
…する事が無い。素振りでもするか…
私は『紺碧の剣』を取り、振り始める。
技を出すときは流石に《巧剣》は使えないため、《絶剣》の技を使っている。
と言っても普通に振るっている時間の方が圧倒的に長いけれど。
「…あ!出来れば《巧剣》と《絶剣》と《絶巧剣》にどんな技があるか教えてほしいんだけど。」
「良いけど…まだまだ増えるよ?」
剣を降り始めて大体2時間ぐらい経ってからマナがそう言ってきたから、今ある技を全て教えた。
「ありがとうね。続きは明日聞くわ。」
マナはそう言うと私の視界から直ぐに消えた。
…本当どうやっているんだろう。
~二日目~
私は今、中庭にいる。マナに呼ばれたのだ。
「それじゃあ技を全部見せて頂戴。」
「分かったよ…」
巧剣『桜花雷纏』
取り敢えずいつもの技を出す。
「フムフム…風魔法と雷魔法の合体魔法を使った技ね。素早さ依存の居合いの後に魔法をぶつける。っと。」
マナは呟きながら本に書いている。
巧剣『追刃、三連、五連、十連』
不可視の風の刃を一つ、三つ、五つ、十と放つ。
巧剣『霞』
上段下段中段の三段突き、速いが故に三回同時に見える。そして、突きの後には水魔法による三つの波紋が残る。
巧剣『炎楼』
刀に炎を纏わせて抜刀、納刀の二連撃を放つ。
巧剣『風鈴』
風魔法で周囲に風の刃を発生させながらの回転斬り、結構な広範囲攻撃だ。
巧剣『氷華』
地面に刀を突き立て、周囲に高さ2メートル程の氷の棘を無数に生やす。
「取り敢えず今ある《巧剣》はこれだけだね。」
「フムフム…」
絶剣『霞』
…巧剣『霞』から魔法を抜いたもの。
絶剣『一閃』
巧剣『桜花雷纏』から魔法を(略
「やっぱり少ない…」
「かなり少ないわね。」
まぁいいや。増やせるし。
絶巧剣『狂乱舞』
自分の使える魔法を全て二つの刀に纏わせ、舞うように斬る技だ。
「元から《絶巧剣》はこれだけだからいいや。」
「…ありがとうね。」
マナは本を閉じた。
「午後は好きにして良いわよ。スキルの使い方は自分で解析してね~」
そういいながらこの場から一瞬で消えた。
「本当…どうやっているんだろう…」
ところ変わって城下町
私は、奇怪の目で見られていた。それに、何人かはギョッとした顔をして何処かに走り去っていったりしていた。
「まぁ仕方ないよね。」
自分の左腕を見る。その色は肌色…ではなく漆黒だ。何なら左上半身と右下半身が、だ。
よく見えて魔人(見た事がないから分からないけど)、悪く見えて魔物だろう。
そんな事を考えていると、後方から ガッシャガッシャと鎧を鳴らしながら誰かが来た。
「魔人め!白昼堂々と攻めに来たな!覚悟!!」
ワォ…事情聴取はなしで、いきなり襲いますか。ってか魔人なのね。
後ろを見ると一人の男(推定14歳)が剣を抜いて切りかかって来ていた。距離は15メートル位だろう。
更にその後ろを見ると二人の女の子(推定10歳)が魔法陣を生み出している。
どう見ても冒険者だね。外見年齢で分かる。
「責めて力量判断はするべきだったね。」
男が振るってきた剣を『白夜』で受け、体を横にして剣を、男を流す。
「なっ!?」
驚かれている。それもそうか、切りかかったら受け止めれられ、次の瞬間には相手が自分の横にいるのだ。
走っていたら突然止まることは出来ない。終着点の壁が無くなれば止まる事は出来ず、通り過ぎるのだ。
その時に男のステータスを《鑑定》してみると。
想像の2倍弱い…
攻撃力を100ぐらいと見積もっていたが、50だった。
というか全ステータス100以下、レベル一桁だ。
「冒険者になって何日なのよ…」
二人の女の子が放ってきた火の玉を 巧剣『霞』 で無効化しながら言う。
…女の子達も驚いている。
「一ヶ月だ!!」
「ざっこ…」
男がまた切りかかって来るが、気にせず『紺碧の剣』を地面に突き立てる。
巧剣『氷華』
冷静に考えたら剣術じゃないね、これ。
とにかく、囲うように棘を生やしたから男の動きは止まった。突破は出来ないだろう。触れるだけで凍傷になる温度なのだから。
「坊主たち、大丈夫って、なんじゃこりゃぁぁぁ!?」
ギルマス登場。良いリアクションです。
「ギルドマスター、助けて下さい!!魔人の女のせいで動けないです!!」
「ギルマス~、変な男に絡まれたけどこれって正当防衛に入ります~?」
男は必死に、私はのんびりと言った。女の子達は必死に魔法で氷を溶かそうとしている。…無駄だよ。
「…あ~うん。入る。取り敢えず解除して上げて。」
「分かりました。」
どうやら優先させたのは私の方らしい。
私が地面から刀を抜いたら、
「隙あり!!」
「馬鹿者!!」
男が直ぐに振り下ろしてきたがギルマスが間に入って止めた。
「なぜ止めるんですかギルドマスター!!その女は魔人ですよ!!」
「実力差が分からん馬鹿を止めるためだ!!それに、こいつは人間だ!!」
ギルマスは男を10メートル程弾き飛ばした。
女の子達は直ぐに男に近寄り回復魔法をかけ始めた。
「実力差って、それにどう見ても人間じゃないだろ!!」
女の子2人に介抱されながら文句を言う男…カッコわる。
「ステータスプレートを目の前で起動させて全部見せてやってくれ。」
「わかりましたよ。」
私は男の前まで行き、ステータスプレートを見える様に起動した。
そしたらあのバグみたいなステータスが現れる訳で…
「なな⁉なななななな⁉アフン…」
あ、気絶した。女の子達はオロオロしている。…一度も喋っていない気がする。
「取り敢えず、ささっと去りな。」
「「はいぃぃ!!」」
…ステータ以上のスピードで去っていった。
「すまんなぁ、うちの若いのが。え~っと、誰だっけ?」
「咲希です。」
「あぁ運が-50の子か」
よく覚えていたね。覚える特徴がどうかと思うけど。
「んじゃちょっと付いて来てくれ。」
「?分かりました。」
ギルマスが背を向けて歩き出したので、私はそれに付いて行く。
「これを渡すよ。」
事務室?に通されてしばらく待っていたら、ギルマスが灰色のフード付きのローブを渡してきた。
「これは?」
私は受け取りながら聞いた。
「見ての通りローブだ。その姿を隠す為にだな。」
「わざわざありがとうございます。」
取り敢えず着てみると、
ローブじゃなくてマントでは?
そんな感想になったがあまり気にしないでおこう。膝下まで隠せているから問題なし!!
「それではありがとうございました。」
「おう。姫様達によろしく言っといてくれ」
その言葉を聞きながら私は城に帰った。
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