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「そういえばビッグハイドマウスのステータスをまだ見てなかったな。」
使役スキルの項目からビッグハイドマウスのステータスを見る。
ビッグハイドマウス
Lv 1100/1100 進化可能
HP 13000/18000
MP 14800/14800
攻撃力5011
防御力6004
速度4808
魔法力400
スキル
隠密10/10
筋力リミッター解除2/10
硬化4/10
スキルポイント110000
「強すぎんだろ...」
というかこいつのスキルポイント貰えば人間生成手に入るな。いや、それなら使役下の他のねずみの...いや自分の力で手に入れなければ意味がない。じいさんには申し訳ないが。
「「ところでお主そいつに名前はつけないのか?」」
「名前かー。じゃハマスで。」
「「うむ。良いんじゃないか?」」
ハマスは適当に名前を決められた事に不服そうだ。
「Lv41もあったら浜辺近くだとイレギュラーを除いたら簡単に倒せてしまいそうだ。」
使役下にあるねずみを倒しちまうかも知れないし。
「中央方向に狩りに行こうかな。」
「「...ワシもついていこう」」
「俺一人で行く。」
「「ほぼ確実に死ぬぞ。」」
「別に奥の方に行く訳じゃない。」
「「お主はいざというときに助けがある状態じゃ成長出来ないと言ったな。」」
「あぁ。」
「「確かにそれも1理ある。じゃが別に殺すか殺されるかの戦いじゃなくても戦闘経験は得られる。」」
「それじゃ意味がない。いざと言う時にはそんなものは役にたたない。」
「「...お主前世で何かあったな?...まぁよい。じゃが死ぬなよ。」」
「善処する。」
前世で何かあった...か。全く覚え出せないが確かに何かはあったんだろう...。
それにしても...この熊の死体。前回見たやつと同じくらいの大きさはあるな。腹に空いたこの風穴...とんでもないやつがこの近くにいるな。
突如前方から咆哮が聞こえる。
少し離れた所にこいつと同等の大きさはある熊がいた。今にもこちらに走り出しそうだ。
こいつの家族か!?
「ちょっと待て!こいつをやったのは俺じゃない!」
言葉が通じる分けない...と思ったが一瞬やつはたじろぐ。
だがそれは認識できるか否かというほどの小さなものでしかない。次の瞬間やつは恐ろしい速度で俺に飛び掛かろうと駆けてくる。
「あの巨体で何て速度だ!」
なんとか横に避けられたが熊を見るともうこちらに走り出している。
咄嗟に上に避ける...既に建物5階分ほどの熊を軽く飛び越えられるほどの力はある。熊は速度をそのままに俺目掛けて跳ねた熊の頭が俺の全身を吹っ飛ばす。そこで俺の意識はなくなった。
「「む!?何か飛んでくる!」」
ヴァレンは咄嗟に念動力でそれをキャッチする。
「「!?蒼じゃないか!ここまで飛ばされてきたのか」」
「「まだ生きておる!」」
ヴァレンは治癒魔法は使えないが自己治癒力というスキルはレベルマックスまで極めている。
黒川蒼の体に入り自己治癒力を強める以外に助かる道はないと判断したヴァレンは即座に行動に移す。
「なんとか間に合ったの。」
ヴァレンが黒川蒼の体に入った瞬間体は凄まじい速度で再生した。
それと同時に黒川蒼の意識は目覚める。
(あれ?俺は...)
「起きたか蒼よ。」
(あれ!?俺の口が勝手に。てか体動かねぇし!)
「安心しろ。一時的にワシが借りてるだけじゃ。」
(どういうことだよ!)
「説明してる暇はないお前が怒らせた猛獣がすぐそこまで来ているからの。」
そう言いヴァレンは念動力で土を限界まで圧縮し作る。刀と鞘を。
「土で出来たものではあるが剣を持つのは700年ぶりじゃな。」
その時、木々を薙ぎ倒しここに向かって来ていた熊が遂に目の前に来る。
熊は結界を見て忌々しそうに咆哮を上げた。
「安心しろ猛獣。ワシはそんなせこい真似はせん。」
そう言ったヴァレンは既に熊の後ろに回っていた。
「来な。猛獣」
ヴァレンが言う。
熊が2足で立った状態から振り向きヴァレン目掛けて全体重を乗せた爪撃を放つ。
「見ていろ蒼。これが剣聖ヴァレンの剣じゃ。」
ヴァレンの動きは決して速くなかった。最低限の動きで避け、最低限の動きで熊の首を刎ねた。




