#95 最後。
『私って最近楽しそう?』
お昼休み。ご飯を食べ終えた優弥、千秋、静香は教室の机にお菓子を広げながら喋っていた。
優弥は昨日祐人に言われたことを2人に聞いてみた。
「は?楽しそうって?」
千秋がお菓子を手に取って聞いてくる。
『いや、昨日お兄ちゃんに昨日言われたんだけど、奏太の事話す時私が楽しそうだって・・・』
優弥が説明すると、千秋からは結構冷たい言葉が返ってくる。
「んなことしるかよ」
その隣で静香が笑顔でお菓子をたべていた
「私も楽しそうだと思うよー?昔は喧嘩ばかりしてたから」
『やっぱりそうなのかなー?嬉しそうなのかなー?!』
千秋が優弥の姿を見て不思議そうに首を傾げる。
「でも、それがどうしたんだよ」
『いや、なんだか自分で自分がキモイです』
机に顔を伏せた優弥に静香は相変わらすの笑顔。
「そうかなぁー?優ちゃん可愛いと思うよー」
『いやいや、だってさ。奏太の事でそんな嬉しそうな自分って結構・・・なんだろ。・・・新鮮?』
ちょっと日本語を間違えたようだ。千秋に冷たい目で見られた。
「別にいーじゃんかよ。今年で高校生活最後なんだし。青春を楽しめ」
千秋の言葉で改めて実感する。
『高校生活最後か・・・』
そう呟くとなんだかしんみりした空気になってしまった。いかんいかん。
「優弥」
噂をすれば。ご飯から帰ってきたらしき奏太が廊下に立っている。
『な、何?』
優弥は奏太の元へ行った。
静香と2人になってしまった千秋が、ぽそりと呟く。
「最後・・・か」
「・・・ちーちゃん?」