#89 ご馳走。
「しーちゃーん?いるー?」
数分後、玄関からカナの声が聞こえたので静香は玄関へと向かい、カナを連れて戻ってきた
優弥はふと、思っていたことを言ってみた
『ねぇ、ケーキだけ?』
静香が笑顔で質問に答える。
「あぁ、竜ちゃんが何か持って来てくれるみたいだけど・・・」
「食い意地張ってんなよ」
奏太が隣でケータイをいじりながら言った
『別に食い意地なんか張ってませんー!』
その時、ふと外の方が少々騒がしくなってきた
「これくらい自分で持って行くって。早く帰って俺のぱぱしゃんの世話でもしてきたら?」
と、外からは竜の声。
「えぇと・・・では帰りは?」
聞いたことの無い女性のような声も聞こえた
「適当に電車で帰るよ」
会話からして竜の家に仕えている誰かと竜が話しているのだろう
「おーい、竜ー早くしろー」
突然千秋の声が混ざり、インターホンがなったので静香が玄関まで迎えにいった
竜はご馳走をかかえてやってきた
「やほやほー♪」
竜は持っていた荷物を床に置いて千秋から紙袋を受け取った
「ほい、フランス土産。優弥、奏太、静香、カナ、千秋」
竜はチョコレートのような箱をひとつひとつ皆に手渡していった
『フランス・・・』
改めて驚かされた
「お前冬休みの時アメリカ行ったとか行ってなかったっけ?」
奏太の問いに竜は常に笑顔でいるだけだった
皆が集まったので誕生日パーティーを始めることにした
『静香誕生日おめでとーう』
優弥の言葉に皆が次々静香にプレゼントを渡し始めた
「ところで」
千秋が楽しそうな表情で言った後、6本の割り箸を取り出した
『またぁ?!』
王様ゲームだ。最近ハマってしまったらしい
静香の誕生日会で王様ゲームが始まってしまった