#86 王様ゲーム。
「王様だーれだ!」
全員の掛け声で千秋の手から割り箸が抜かれた。
優弥のひいた割り箸には〝3〟と書かれていた。
「やった♪王様ー!」
そう叫んだのは千秋だった。
『えー千秋何か細工したんじゃないのー?!』
「してねーよ。えっと、じゃあ、4番と1番が本日のカラオケ代をおごる!」
いきなり王様ゲームやりだすと思ったらそれが千秋の目的か。
「俺いちばーん」
竜が割り箸を持って手を挙げた。
「あ、私4番だ」
静香が自分の割り箸を確認して言った。
「ここは普通竜がおごるところだろ」
千秋が提案した。
それに奏太それに続いて呟く。
「まぁ、普通はそうだろうな」
竜が笑いながら聞いたことのある音楽に乗せて歌い始めた。
「ぱぱと喧嘩してるからー♪お金なんて全然無いっ」
「役に立たねーな」
奏太が竜の頭を軽く叩く。
「いいよ、私が払うよ」
静香が笑顔で竜に言った。
「静香しゃんっっ!!あなたいい子!!」
竜が静香の頭をなでなでし始めた。
静香におごらせた当の本人、千秋はしらんぷりでどこか横の方を向いていた
叶がみんなの割りばしを集める。
「ささ、2回戦ー♪」
千秋が話をそらすように言い出した。
「王様だーれだ!」
再び割り箸を引くと優弥は"王様〟と書かれた割り箸をひいた
『あ、王様♪』
何を命令しようか考えた結果、
『5番の人!くすぐりの刑!』
「は?!」
叫んだのは千秋だった。
優弥はにやりと笑ってやった。
『皆、かかれーぃ!』
その声で皆が一斉に千秋にこちょこちょをしだした。