#85 カラオケ。
『ちょっと奏太!!今ぶつかったでしょ?!謝りなさいよ!!』
「は?気のせいだろ」
翌日の教室には優弥の声が響いていた。
周りの生徒は楽しそうにそれを見ている。
「久々に始まったー」
「喧嘩してたんでしょー?仲直りしたんだー」
「奏太くーん」
仲直りはしたのだが、優弥は聞きたいことはたくさんあった
キスの写真の真実とか、抱き合っていたこととか。
『・・・・・・・・』
「おい、優弥?」
考え込んでいるうちに黙ってしまっていた。
奏太が優弥の顔を覗きこんでいる。
『な・・・なんでもない』
「おい、そこのお2人さん」
不意に千秋が話しかけてきた。
『何?』
千秋はそこらの机に座って今日のおやつらしきものを食べていた。
千秋に続いて静香が嬉しそうに喋りだす。
「あのね、せっかく2人が仲直りしたから今日カラオケでも、と思って」
『ほんと?!いくいく!!』
♪~♪~♪~
「じゃーん♪」
カラオケへやってきて1時間ほどたった時、千秋が数本の割り箸を取り出した。
どこに隠し持っていたのだ。
『・・・何?その割り箸』
優弥が千秋に聞くと千秋は何かを企むように微笑んだ
「王様げぇむ♪」
『王様ゲームて。ここは合コン会場か』
「王様げぇむ?」
静香の頭には完全にクエスチョンマークが浮かんでいた
王様ゲームを知らないとは。
『とりあえず王様になった人は何でも命令すればいいの』
「へーぇ。楽しそう♪やろうよ!!」
優弥の適当な説明で理解が出来たのか、満面の笑みで静香が優弥の方を向いた。
『う・・・』
この笑顔には勝てない。
『わかったよ・・・』
いきなりの王様ゲームが始まった。何故だ。




