#82 図書室。
♪~♪~♪
ケータイの目覚ましが部屋に響く。
優弥はすでに起きていたのですぐにとめ、ケータイを机の上に置いた。
おきていた、というか全く眠れなかった。
あまり気が向かないが優弥は準備をして学校へと向かう。
教室へ入るといつも通り千秋と静香が挨拶をしてきた
「優弥ー、おはよーさん」
「ゆーちゃんおはよー」
『・・・おはよう』
あまりのテンションの低さに千秋は首を傾げた。
「・・・?バレンタイン、上手くいかなかったのか?」
『別に。・・・・・・・うぅ・・・千秋ぃぃ』
いきなり千秋に泣きついた。
「どうした、どうした?!」
優弥は昨日あったことを全部千秋と静香に話した。
静香は心配そうに話を聞いてくれているが千秋はすっかり呆れた様子だった。
「ゆーちゃん・・・」
「んなもん、その2人に突っ込んで行って割り込めばいいじゃん」
『んなこと出来るわけないじゃん』
「私ならそうするぞ」
『・・・ほんとに?』
「ごめんなさい、嘘でした」
放課後、優弥は静香に頼まれた本を図書室に借りにきていた。
静香は塾で早く帰って行ってしまったのだ。
『えーっと・・・あ、あった』
一番上のほうの段に、静香に頼まれた本があった。
優弥は本に向かって手を伸ばす。
『・・・ぐ・・・』
背伸びをしてみるが届かない。
『上っちゃおうかな?』
本棚に足でもかけようかと思ったところ、後ろから声がした
「優弥先輩、そんなことすると見えちゃいますよ?スカートの中」
『えぇ?!』
驚いて振り向いてみるとけんけんだった
「とりましょうか?本」
けんけんが本棚を見上げる
『あ、お願いします』
そういうとけんけんは楽々と本を取って優弥に手渡した。
『ありがとう』
「どういたしまして。・・・・・・あ、あれって」
『・・・?』
けんけんが廊下を見て呟くので廊下の方を見てみると、図書室へ向かう2人の生徒が見えた。
『あ・・・』
奏太と悠希だった。