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Love Addiction  作者:
81/171

#81 信じたかった。

教室は妙にざわついている。女子達のオーラも、いつもと少し違って見えた。

今日はいよいよバレンタイン。

バレンタインデーがやってきてしまったのだ。

周りを見渡す限りではまだ奏太も竜も叶も来ていなかった

『あ!』

教室の戸が開く。入ってきたのは奏太と竜と叶だった

それぞれすでに5、6個ほどのチョコを持っていた。

下駄箱に入っていたのだろうか?

「きゃぁぁぁぁ」

3人が入ってきた途端、教室はどこぞのアイドルのコンサートかのような歓声があがった。

『?!・・・あんなのの中に入り込めないよ!!』

優弥は千秋と静香に泣きつくと2人はすっかり呆れた様子だった

「このこと忘れてたな」

「カナちゃーん?!」

静香は女子達で見えなくなった背の小さい叶を必死に探していた。


『あーあ。・・・家で渡すしかないのかなぁ』

千秋と静香は一緒に帰ろうと誘って渡すといっていた。

さすがに優弥は今の状況でそんなことをする勇気はなかった

『・・・あれ?』

あきらめて帰ろうとした時、視聴覚室に奏太の後ろ姿が見えた。

(奏太?!なんでこんなとこにいるの・・・?ってか!もしかして今がチャンスなんじゃ・・・)

そう思った優弥は少しづつ視聴覚室へ近づいていってみた。

『?!』

そこで目にした光景はただの奏太の後姿ではなく、悠希と抱き合ってる奏太の後ろ姿だった。

『奏・・・太?』

優弥は逃げるようにして、その場から走り去った。

(っ・・・何で?何であの2人が抱き合ってるの??)

走っているうちにいつの間にか校舎の突き当たりに来てしまっている。

優弥はそのまま立ち止まり、しゃがみ込んだ。

『どぉして・・・?』

自然と涙が零れ落ちる。

奏太のことを信じたかった。

奏太は裏切らないと心のどこかで思っていた。

でも、現実は―・・・

「・・・先輩?」

1人で泣き崩れていると後ろから懐かしい声がした。

『けんけん?!』

振り返ってみると心配そうに優弥を見ていたのはけんけんだった。妙に懐かしい。

「あ、やっぱり優弥先輩だった。・・・ってどうしたんですか?!」

優弥が泣いているのをみてけんけんがおろおろしはじめた。

『ううん・・・。別に。なんでもない』

優弥は自分の服の袖で涙を拭いた。

「奏太・・・先輩ですか?」

『ほんとになんでもないの!じゃあね。けんけん』

下校時刻が迫っていたので優弥は急いで玄関へ向かった。

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