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Love Addiction  作者:
78/171

#78 いつもと違う?

バレンタインはどうするか結局答えが出なかった。

1限目から体育なので現在、優弥は髪を縛りながら千秋、静香と共に更衣室から外へ続く廊下を歩いていた。

「今日は外で久々に短距離でもするか」という体育教師のあほな考えにより、外になったのだ。

この寒いのにおかしいんじゃないのか?

でも普段は半そで半ズボンが絶対なのだが生徒達の抗議により今回だけは半袖半ズボンでなくてもいいという許可がおりた。

「普通こんな時期って体育館で体育やるもんじゃないのか?」

千秋は全く納得いかないらしく、さっきからずっとこの調子だった。

『まぁまぁ。おちつけ』

優弥が何度も落ち着かせるが千秋は不満らしい。

3人は玄関で靴を履き替えて外へ向かった。

最初は男子が走り、その後が女子なので3人は適当に座りながら喋っていた。

最初の5人ほどの男子が先生の合図と共に走り出す。

「んで、バレンタインはどうするんだよ」

男子の様子を見ていると、千秋が突然そう言った。

「今年何作ろうかなー?」

静香はさっそく何を作るか考えているようだ。

『んー・・・バレンタインねぇ・・・』

「ほら、噂をすれば。奏太の番」

千秋はスタート地点の方を指差した

5人ほどの中に奏太がいる。

「位置について、よーい・・・」

先生の掛け声の次の瞬間、ピストルの音と同時に5人は一斉に走り出した。

1着でゴールしたのは案の定、奏太。

ところが、まわりの女子の反応はいつもと違っていた。

「きゃぁぁ!!!!」

「奏太くーん!!」

「おめでとーう」

女子の高い声が、グラウンド中に響いた。

いつものことなのだが、今日はいつもより人が多いのだ。

『な・・・何これ?!』


「おい、さっきのどういうことだよ」

体育の授業後、更衣室で千秋が女子の一人に問い質していた。

その女子はびくびくしながらも懸命に答えていた。

「何か、奏太君が優弥と別れたって噂がひろまってて・・・」

話の途中で千秋が優弥の方を向いた。

「・・・別れたのか?」

『記憶にございません』

千秋が再び女子のところをみて質問しまくっていた。

「その噂、誰から聞いた?」

「転校生。品浜さん」

その名を聞いた途端、優弥はあることに気が付いた。

『ねぇ・・・品浜さん、居ない』

更衣室には、さっきまで一緒に体育をやっていたはずの悠希がいなかった。

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