#76 バレた。
外がだんだん薄暗くなってきたある日の放課後。
優弥は教室で一人、職員室に行った奏太を自分の机の上に座って待っていた。
ふと、携帯を取り出して例の写真を見てみる。
『・・・・・』
キスしてる。
明らかにキスしてる。
『あー!もう!どーすればいいの?!!!!』
優弥は思わず頭を抱えた。
このまま黙っているわけにもいかない。
かといって奏太に聞き出すのも怖い。
『?!』
突然誰かに携帯を持っている方の手首を後ろからつかまれた。
振り向いて見ると、そこにいたのは奏太だった。
『・・・』
奏太は携帯に写っている写真を見て明らかに驚いている様子だった。
「アイツ―・・・」
『・・・』
「・・・」
『奏太、痛い』
奏太に握られている手首はだんだんと力が入っていっていた。
奏太は静かに手を離した。
『キス・・・したんだ。品浜さんと。』
「は?ちげーよ。んなわけ・・・」
「やっほー♪奏太君と彼女さんだ♪」
奏太の話を遮って教室に悠希が入ってきた。
悠希は教室に来るなりに奏太に飛びつく。
「ね、ね、奏太君♪」
「お前ちょっとは空気読めよ」
「えー?何何?」
『もういい!勝手に2人でいちゃついてれば?!』
優弥が叫んでも悠希はブイサインを優弥に向けてくる。
「そうさせてもらいまーす♪」
『っ・・・』
優弥は教室を飛び出した。