#74 竜のヒミツ?
冬休みもお正月も無事終わって約2週間ぶりに学校へやってきた。
お昼、優弥はいつもの3人で屋上でご飯を食べている。
「いただきます♪」
手を合わせてご飯を食べ始めた静香が急に優弥と千秋の方を向いた。
『し・・・・静香?』
「クリスマスどうだった?」
千秋が恐る恐るそう聞くとキラキラと輝いた目で見つめられた。
「あのねあのね!!!!カナちゃんと一緒にご飯に行って、カナちゃんがクリスマスのプレゼントをくれて、あ!私はマフラーあげたんだけどね!それで!」
嬉しそうに話す静香だが千秋が呆れた顔で買ってきたパンをかじっている。
「あー、はいはい。幸せそうで何よりですな。はいはい。」
「ゆーちゃんは?」
優弥は再びキラキラした目で静香に見つめられた。
『え!?・・・別に・・・普通にイルミネーション見て・・・・・・・千秋は?』
あまりたくさん喋っていると千秋にいじられそうなのでと突然千秋に振ってみた。
「あー、竜がなっかなか来なくてさ、仕方なく迎えにいったんだよ。」
「りゅーう!!何してんだー!」
クリスマス。千秋が迎えに行った竜の家はごく普通のアパートだった。
ふと、突然扉が開き、竜が姿を見せた。
しかし、下はスウェット、上は無地のTシャツにパーカーという明らかに今からデートする格好ではなかった。
「あれー?千秋だぁー。今日って25日なのー?あー。そかそかー。」
「お前日付感覚狂ってねーか?」
竜が着替えてきたので街をブラブラ歩いていると突然竜が千秋の手を引っ張りながら歩き始めた。
「ちょ、何?!」
やってきたのは明らかに高そうなレストラン。
「おなかすいたからねー♪♪」
「え、ちょ、りゅ・・・」
千秋の言葉など全く聞かずに中へと入ってしまった。
なるべく安いものをと頑張って選んで食べて会計に行った。
「えっと・・・竜、やっぱ割り勘した方が・・・」
「え?何で?」
きょとんとした顔で千秋を見つめた竜は財布の中から金ピカのカードを取り出し、店員に見せた。
「カード使えまーすか?」
「えぇぇ?!」
「てな感じでね、色々ありましたさ。」
千秋は遠い目をしながらそう語った。
『え、何それ!ちょ、もっとくわし』
「ちぃーあーきっ!」
優弥の言葉を遮るようにして後ろから竜の声が聞こえた。