#66 クリスマスプレゼント。
「奏太くーん♪♪」
「・・・・」
悠希はあれから奏太にべったりだった。
現在も奏太の後ろから首に抱きついている。
じっとその様子を見つめていた優弥を千秋と静香が次々に優弥に話かける。
「大変なことになってるなー」
『・・・』
「奏太君好かれてるねー」
『・・・』
「ねー奏太君、クリスマス暇ぁ?」
突然聞こえたその言葉は悠希のものだった。
「おい、優弥、どうするよ。あの女クリスマス誘ってるけど」
千秋が優弥をつんつんと突いた。
『っ・・・』
優弥は席を立って、奏太の所へ向かった。
『奏太は私のか・・・彼氏だからこれ以上近づかないで!』
奏太は驚いた顔をしていたが優弥の言葉に悠希は言い返す。
「別に関係ないじゃん。私、奏太君奪ってやるから」
ということで大変な日々が始まりました。
「竜ちゃん、奏ちゃん」
昼休み、突然叶に話かけられた。
「なになぁに?」
「?」
叶はジュースを飲みながら話を続ける。
「クリスマスのプレゼントは何がいいと思う?」
「ん~・・・アクセとか、それに・・・」
叶は次々と出てくる竜のアドバイスを必死にメモしていたが奏太は財布を取り出した。
奏太は財布の中身を全部出してみる。全財産777円。
「全然うれしくねーよ」
そんな奏太の顔を竜が覗き込んだ。
「なぁに?今クリスマスプレゼントの事思い出したような顔してんね?」
「別に。そんなんじゃねぇよ」




