#65 告白。
突然立ち止まった悠希に奏太は意味がわからないとでも言いた気な顔をしていた。
悠希は一度笑って、奏太を指さした。
「君・・・私と付き合って!!」
「・・・は?」
「一目惚れしちゃった♪」
『ぼー・・・・・・・・・・・』
昼休みの屋上。優弥は千秋、静香と一緒にご飯を食べていた。
「優弥、ぼーっとするのはいいけどわざわざ"ぼー"って口で言わなくていい」
「ゆーちゃん、大丈夫?」
静香が心配そうに優弥の顔を覗き込む。
『うん・・・』
あの時は結局すぐに授業が始まったのであの話の続きは聞けなかった。
「てゆーかお前はやく奏太誘えよ。クリスマスデート」
『うん・・・』
「ほら、噂をすれば奏太君だよ??」
『うん・・・え?!』
屋上の入り口を見てみると奏太がパンの袋をくわえてはいってきた。
『そそそ奏太!!どどどどうしてここに?!』
「日本語喋れよ」
『十分日本語だよ!』
奏太が優弥の腕を引っ張って座っていた優弥を無理矢理立たせた。
「ちょっとコイツ借りてく」
奏太が一言残してとりあえず人気の無い場所に移動した。
「あの告白、断ったから」
『そ・・・そう・・・えっと』
「?何だよ」
『ク・・・クリ・・・めりーくりすます!』
クリスマスデートに誘おうとするがいざとなるとやっぱり言えない
「・・・ちょっと早くねーか?」
『じゃなくて・・・クリスマス・・・ひ、暇?』
「・・・暇だけど?」
『じゃ・・・じゃぁ、で・・・デートとか・・・したり・・・』
「・・・別にいいんじゃない?」
『そそそそう?!じゃ・・・じゃぁね!』
優弥は急いで退散した。