#62 彼女。
3人の男子生徒と静香の間に叶が無理矢理入り込み、急に叫んだ。
「やめてください!」
「は?意味わかんね」
静香は叶の登場に驚きながらもおろおろしていた
「カ・・・カナちゃ・・・」
「お前には関係ねーだろ。俺らデート行くんだもんなぁー?」
男子生徒は途中から静香のところを向いて言った。
静香はおろおろしていた。
「・・・ります!」
「あ?」
「関係あります!ぼ・・・僕の彼女にさわらないでください!」
叶の言葉に3人の男子生徒と、静香も驚いていた。
「はぁ?だからなんだよ!!」
男子生徒のうちの1人が叶に向かって殴りかかろうとしていた。
「カナちゃん危なっ・・・」
ところがその手は叶を殴る前に止められた。
竜が男子生徒の手をつかんでいたのだ。
「それ以上ハニーをいじめちゃ許さないよーん♪」
のんきな竜に男子生徒の怒りが強まっていくのがさすがの竜にもわかった。
ところが男子生徒が振りほどこうとしてもびくともしない。
竜は握る力をだんだん強めていった。
「いっいたたたたたたたたたた!!!!!!」
「コイツ怒らせると学校壊しちゃうかもよ?」
後で奏太が腕を組んで壁にもたれかかりながら意味ありげな表情で呟いた。
もちろん、学校なんか壊すわけが無い。
「竜、その辺にしておけ。」
いつの間にか千秋もいた。
腕を組みながら呆れた様子でじっと見ていた千秋の一言で竜の手はあっさり離れた。
『千秋の愛の力だね』
いつの間にか千秋の隣にいた優弥が笑顔で呟いた。
「クソッ!覚えてろよ!」
3人の男子生徒は走って逃げていった。
「今の全然力入れてなかったのにナァー?」
竜が不満そうに言っていたがすぐに歩き始めた奏太に呼ばれる。
「竜、速く来い」
その一言で竜は叶と静香の存在に気付いた。
「2人にしておけ」
「ふふふー♪りょーうかい♪」
とりあえず更衣室の前に座り込んでいた叶と静香を2人にして他の4人は教室に戻ることにした。




