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Love Addiction  作者:
51/171

#51 雷。

しばらく奏太と遊びまわったところで奏太がふと空を見上げた

「・・・降りそう」

『何が?』

「雨」

いつの間にか空には黒雲が漂っている。

『そろそろ帰る?』

「そーするか」


電車に乗って駅に着いた頃には今にも雨が降り出しそうだった。

「・・・走るか」

奏太は仕方なさそうに呟いた。

『えぇ~・・・奏太速いんだもん!』

「お前が遅いだけ」

『私別に標準だし!!!』

「んなもん知るか。走れっつってんだろ」

『嫌!!』

結局歩いて帰っていた。

家までの道を半分くらい歩いた時、空が急に光った。

『雷っ?!』

優弥が雷が大の苦手なのだ。

小さい頃は雷が怖くて奏太に捕まっていたら「うざい」と振り払われた記憶がある。

そんなこと言われても怖いものは怖い。

(実際今もとっさにに何かにしがみついてるし。電柱?)

はっとして上を見上げる。

・・・奏太だった。

(えぇ~?!!!何やってんだ自分!!!また怒られ・・)

「ごめん」といって奏太から離れようとした時、奏太の片手が優弥の背中にきた。

そのまま奏太の元へ引き戻され、もう片方の手で優弥の頭をぽんぽんされていた。

(・・・へ?・・・昔と反応違う・・・?)

「お前まだ雷嫌いだったのかよ。」

『あ・・・うっ・・・うっさい!』

奏太を握る力を強める。

ゴロゴロゴロ・・・

雷の音と共に大量の雨が降り出した。

『ぎゃぁ!!!ぬれる!ぬれる!!!』

「急ぐぞ」

『ちょ!奏太はやいはやい!!』

「お前が遅いって言ってんだろ。早く走れよ」

『あぁ!もう!うっさい!』

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