#50 クレープ。
優弥、奏太、けんけんの3人は駅に着いた。
3人の乗る電車が来るホームへ向かっているところだった。
優弥がホームを見てみると電車はすでにあった。
『あ!もう電車来てるよ!』
「急ぐか」
奏太の声に3人は少し急いでホームへ向かった。
3人がホームへ付くと電車が走り出しそうだったので急いで乗り込む。
「・・・・。」
ところが奏太はドアの前で止まった。
『奏太?!乗らないの?!戸閉まるよ?!』
「・・・・・気が変わった。」
奏太は優弥の手を引っ張ってホームへ引き寄せた。
『わぁ!』
その途端、電車のドアが閉まった。
「あ!ちょ!先輩?!」
電車はけんけんだけを乗せて走り出した。
2人になったホームで優弥はおそるおそる奏太を見上げた。
『そ・・・奏太?』
「気が変わった」
『は?』
「どーせお前まだ遊び足りねーんだろ。ほら!行くぞ」
『え?あ、・・・へ?』
「うるせーな。ちょっとは静かに歩け」
『・・・はい』
なんだかよく分らないままとりあえず戻ることにした。
『・・・あ』
優弥はふと呟く。戻ってみたのは良いが1つ問題点が。
「何だよ」
『お金無くなったんだった』
「んな変な服買うからだろ。」
奏太が優弥のもっていた袋を見て言った。
『んなこと言われても!結構高いんだよ!!!』
そんなことを言うと奏太がクレープを買ってきた。
クレープは優弥の大好物なのだ。
(奏太・・・やっと女心がわかるように・・・)
と、思いきや奏太は自分で食べた。
『・・・嫌味?』
「うん」
と、あっさり答える。
すると急にクレープをこちらに向けてきた。
「ばーか。嘘だよ。やるよ」
『し・・・仕方なぁーく、貰ってあげるよ』
仕方なくクレープを一口いただいた。
『おいひぃ・・・』