#45 お疲れ様。
『疲れた・・・』
ファッションショーが終わると同時に学園祭も終わりに近づいてきた。
もうすっかり片付けられている教室にいた。
優弥、奏太、麻衣のほかに誰もいない。
優弥はファッションショーの時の服のままだ
「お疲れさまー♪はい!これ!参加賞!」
麻衣は優弥に花束を渡した。
・・・てかこれブーケか?何処から手に入れたんだ
『・・・ありがと』
「皆何処行ったの?」
奏太が麻衣に向かって訊ねた。
「エンディングセレモニー?とかいうのじゃない?」
『そういやそんなのあったなー』
皆は玄関前で行われているエンディングセレモニーにいっているらしい。
「じゃ、私も行ってくる!」
と、言い残して麻衣は去って行った。
奏太と2人だけになった。
優弥は花束・・・いや、ブーケに付いていたリボンを取って花を教室にあった花瓶に入れた。
花束にブーケっぽく付いていた白いヒラヒラの布とリボンは適当な机に置いた。
「どうすんの?行くの?」
『あ!う・・・』
うん と返事をしようとしたが足に激痛がした。
『いたっ』
そのまましゃがみこんだ。
「・・・なにやってんだ」
『足~・・・』
くつずれらしい。
「はぁ~・・・馬鹿じゃね?・・・1回保健室行ってくるから待っとけ」
『うん・・・』
優弥は一人、窓際の机に座って外を眺めてみた
(あ・・・エンディングセレモニー・・・ここから見えるんだ・・・)
窓から外の様子を眺めながら奏太の帰りを待った。