#42 逃げる、そして手?
いつの間にか奏太の手は離れていた。
現在優弥達は廊下で配っていたあめを食べながら歩き回っていた。
(手ぇくらい・・・つなぎたいなぁー)
「おい、優弥!何処行くんだよ」
『え!あ、えーっと・・・』
急に話しかけられたのでポケットから急いでパンフレットを取り出す。
『えーっと・・・』
話しながら階段を上った。
「・・・おい、優弥」
『?どったの?』
階段を上っている途中、急に奏太が立ち止まった
そして首に手がまわってきた。
『そっ・・・奏太?!』
・・・と思ったら首に腕をかけられ、引っ張られた。
『ぐえ!!ぐるじい!!!』
急いで階段を下りて階段横の誰もいないスペースへ連れてかれた。
とりあえず座る。
『何?!どうしたの?』
「あぁクソ!黙れ!!!!」
口を押さえられた。
「奏たちが階段の上から降りてきてんだよ」
『モゴモゴ・・・』
しかしこの距離は近すぎる。すぐ隣に奏太がいる。
「もう行ったな・・・」
奏太が立ち上がって歩き出す。
「ほらっ行くぞ。」
『うんっっ・・・』
急いで立ち上がって奏太の後ろを付いていく。
「・・・・・・」
奏太がずっと黙っていた・・・かと思うと急に手を差し出す。
『・・・?何?』
「・・・めんどくさい女だな、お前」
そして奏太は優弥の手をつかんで引っ張る。
「・・・行くぞっ」
『・・・・・うん//』