#39 何かの間違いだと思う。
"何かの間違い"そう自分に言い聞かせながら次の日、優弥は学校へ向かった。
下駄箱の靴を出そうと靴に手をやるとパタパタと静香が走ってきた。
「ゆーちゃん!」
『?どした?』
「あのね・・・これ・・・同じ塾の子から送られてきたんだけどっ・・・」
そういって静香はケータイを取り出して1件のメールを見せた。
メールに写真が付いていた。
優弥はメールの内容を見てみる。
ねぇ!静香って奏太君と仲よかったよね?!
奏太君に彼女いるかも知れないの!!!本当?
写真には奏太と、昨日の放課後奏太と一緒にいた女の人が買い物をしている様子が写っていた。
「ゆーやっ♪」
教室へ行くと千秋が妙に元気よく優弥に話しかけていた。
『千秋・・・おはよ。何でそんな元気なの?』
「優弥今日誕生日じゃん♪おめでとー」
『あ!そうだっけ・・・』
「何わすれてんの・・・」
『今それどころじゃなくてさ・・・』
「?あ、私先生に呼ばれてるからいくね!」
『うん・・・』
千秋は教室から出て行った。
「おい、優弥」
千秋が教室を出たのと同時に奏太が話かけてきた。
「お前、」
『昨日・・・』
奏太の話を遮るように優弥は喋り始めた
「あ?」
『昨日、奏太女の人と会ってた・・・』
「は?」
『奏太・・・その女の人に〝好き"って・・・』
「・・・あぁ、それは」
『昨日放課後にデートまでしたくせに・・・』
「だから、・・・」
『言い訳なんか聞きたくない!!』
つい奏太に言い返してしまう。
奏太はしばらく何も言い返さなかった。
(あーあ・・・ここで素直になれたらよか・・・)
刹那、優弥は奏太に壁に押し付けられた。
クラスのみんながざわめきはじめた。
『痛っ・・・そ・・・奏太?!』